人型ロボの背中から“変形ドローン”が飛び立つ 米大などがデモ披露 独自の「マルチロボシステム」開発
人型ロボットの背中からドローンが飛び立つ――米カリフォルニア工科大学とアラブ首長国連邦の研究施設「TII」による研究チームは、このような動画を公開した。
人型ロボットの背中からドローンが飛び立つ――米カリフォルニア工科大学とアラブ首長国連邦の研究施設「TII」による研究チームは10月14日(現地時間)、このような動画を公開した。同研究チームが開発した、人型ロボットとドローンの動作を統合的に制御するマルチロボットシステム「X1」のテスト映像という。
X1のテストでは、中国Unitree Roboticsの人型ロボ「G1」と、同大学が開発した変形するドローン「M4」を利用した。M4は、4つのプロペラ部を下に90度曲げ、その外周部を車輪として地面を走行できる“空陸両用ドローン”。M4を背負えるようにG1を改造し、テストに臨んだ。
テストでは、X1がG1とM4を統合的に制御し、それぞれの移動方法のメリットを生かせるか検証した。同大学内で緊急事態が発生したという想定で、目的地にG1とM4を向かわせた。公開した動画では、M4を背負ったG1が屋外で前屈しM4が飛び立つ姿や、M4が飛行と地面走行を切り替えながら学内を移動する姿を見られる。発表によると、M4は目的地でG1と合流したという。
X1の開発に携わった同大学のハンス・W・リープマン教授は「課題は、異なるロボットを連携させ、基本的に1つのシステムとして動かしながら、異なる機能を提供すること。今回の共同研究により、この課題を解決する最適な組み合わせを見つけた」とアピールする。
X1の開発では、カリフォルニア工科大がG1やM4の制御システムを担当した。TIIは都市部におけるロボットシステムの自律性やセンシングに関する知見を提供し、米ノースイースタン大学の研究チームがロボットの設計を支援した。
研究チームは今後、G1とM4の統合制御における自律性と安全性の向上を目指し、研究を進める。
未来を切り開く次世代イノベーションがここに
先端テクノロジーを誇る有力ベンダーと最新トレンドを探るユーザー企業が一堂に会するマッチングイベント「ITmedia Apex Innovations 2025 秋」。有識者が「AIエージェント」「次世代ロボティクス」「量子コンピュータ」の実践的な知見を語ります。
- イベント「ITmedia Apex Innovations 2025 秋」
- 2025年10月28日(火)から10月29日(水)まで
- こちらから無料で視聴登録できます
- 主催:ITmedia NEWS
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
家庭で使える量産人型ロボ「Figure 03」 安全性に配慮、“足でワイヤレス充電”も可能
ロボット開発企業の米Figureは、人型ロボット「Figure 03」を発表した。従来モデル「Figure 02」の後継に当たり、各性能を強化。家庭での利用を想定し、安全性にも注力した。量産向けに設計しており、今後4年間で10万台の生産を目指す。
テスラの人型ロボ、カンフーアクションを披露 映画「トロン:アレス」ワールドプレミアで
米Teslaは、同社の人型ロボット「Optimus」がカンフーアクションする動画を公開した。SF映画「トロン」シリーズの最新作「トロン:アレス」のワールドプレミア(米国ロサンゼルス)の会場で、パンチやキックを繰り出している。
顔は「GMO熊谷代表を表示したタブレット」 2週間で開発した“ヒューマノイドCEO”の仕組みは? 同社に聞いた
GMOインターネットグループが開発した、熊谷正寿代表を模した人型ロボット「ヒューマノイド 熊谷正寿」。同ロボットの仕組みなどを同社に聞いた。
セブンイレブン、人型ロボット導入へ 店舗へ2029年中に テレイグジスタンスと協力
セブン‐イレブン・ジャパンは、2029年中に人型ロボットを店舗に導入する方針を発表した。ロボット開発企業のテレイグジスタンスと協力する。
Googleの「Gemini」に、ロボット向け新モデル 自律的にタスクを分解して動作、“雑な指示”にも対応
米Googleは、ロボット向けのAIモデル「Gemini Robotics 1.5」と「Gemini Robotics-ER 1.5」を発表した。複雑な手順が必要なタスクに対し、自律的にタスクを分解してロボットを駆動できるという。







