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“家庭用人型ロボとの生活”が現実に――米企業が一般向けに販売開始 価格は約300万円or月額7万5000円(1/2 ページ)

ロボット開発企業である米1Xは、家庭用人型ロボット「NEO」の販売を始めた。

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 ロボット開発企業の米1Xは10月29日(日本時間)、家庭用人型ロボット「NEO」の販売を始めた。階段での移動やドアの開閉などの基本動作は自律的にこなし、洗濯や皿洗いといった複雑な家事は遠隔操作と追加の学習で対応する。価格は、本体の購入で2万ドル(300万円、1ドル150円換算、以下同)、サブスクリプションで月額499ドル(7万4850円)。


家庭用人型ロボット「NEO」(出典:公式サイト)

 NEOは身長約167cm、体重約30kgの人型ロボット。ボディーを3D格子状の柔らかいポリマー素材で覆っているほか、動作部には同社独自のアクチュエーターを採用。可動部に指などを挟みこむ事故の防止を図り、家庭での安全性を高めたという。


家庭用人型ロボット「NEO」の基本スペック(出典:公式YouTube動画、以下同)

頭部の様子

足元の様子

 片手に22、片腕に7、片脚に6、首に3、背中に2つの自由度を持ち、約8kgの荷物まで腕で運べる。防塵(じん)・防水性能は、ハンド部分がIP68、ボディーがIP44。バッテリーの持続時間は約4時間で、充電が必要な際は、NEOが自身にプラグをつなぐ。


アクチュエーターの様子

ボディーを覆う3D格子状の柔らかいポリマー素材

自動で充電

 また、米NVIDIAのロボティクス向けAIボード「Jetson AGX Thor」をベースにしたチップセットも備える。通信は、Wi-FiとBluetooth、5Gに対応し、基本的には家庭用Wi-Fiへの接続を推奨している。カメラやマイク、スピーカーも搭載しており、視覚情報を踏まえた音声のやりとりもできるという。

 NEOの動作を制御するのは、同社が開発したAIモデル「Redwood AI」だ。視覚と言語情報でロボットを制御する「VLA」(Vision-Language-Action)モデルで、基本動作の制御のほか、新たな家事の学習にも活用する。

 階段での移動やドアの開閉などの基本動作は自律的にこなす一方、洗濯や皿洗いなどの複雑な家事は、1Xのオペレーターが遠隔操作で動作を支援する。これにより、Redwood AIが動作を学習しながら、作業を完遂できるようにするという。

 さらに、専用のモバイルアプリも用意する。家事のスケジュール管理や、動作の監視などができる。

 同日に公開したデモンストレーション動画では、リビングのモノを片付けたり、掃除機をかけたりする様子を披露した。他にも、食器を運ぶ、洗濯物を畳む、ペットに餌をやる姿などが見られる。なお、公式サイトのFAQによると、料理はできないとしている。

 NEOの価格は、本体購入で2万ドル(300万円)、サブスクリプションで月額499ドル(7万4850円)。どちらの場合も、200ドル(3万円)のデポジット(配送の準備が整うまでに全額返金予定)が必要となる。

 米国での配送は、2026年に開始する予定。本体購入のユーザーから優先して配送し、その後サブスクリプションのユーザーにも配送する。「国際配送は後日開始する」としており、配送時期は執筆時点で不明だが、米国以外からの購入もできるようだ。

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