人型ロボット、日本の物流倉庫で働く 山善が実証実験 人型にこだわる理由は?(1/2 ページ)
山善は、物流倉庫における人型ロボット導入の実証実験の様子を公開した。デモンストレーションでは、人型ロボットがぬいぐるみをピックアップする姿を披露した。
山善は10月30日、物流倉庫における人型ロボット導入の実証実験の様子を公開した。同実験は、人型ロボット向けのシステム開発などを手掛けるINSOL-HIGH(東京都千代田区)と協力し、物流センター「東京ベイ・ファッションアリーナ」(千葉県市川市)で実施しているもの。デモンストレーションでは、人型ロボットがぬいぐるみをピックアップする姿を披露した。
実証実験で利用したのは、ロボット開発企業である中国AGI BOTの人型ロボット「G1」。L字型の土台の背部に、人型の上半身が付いたような見た目が特徴で、本体は土台の車輪で移動する。全身で26の自由度を持ち、上半身には70cmの腕を2本備える。上半身は昇降式で、身長は130cmから180cmまで変化する。
デモでは、G1がボックス内のてのひらサイズのぬいぐるみをつかみ、次々と別のボックスに移していった。また、設定を変更することなく、形の異なるペンケースをつかんだり、ボックスの中を動きまわるボールを手で追いかけたりする姿も披露。動作の自律性と汎用性をアピールした。
G1の動作は、AGI BOTが用意したロボット制御向けのAIモデルを、INSOL-HIGHが東京ベイ・ファッションアリーナでの物流環境向けに調整し、実現した。公開時点で、実証実験の開始から約1週間がたっており、商品をつかんで移動させる動作の成功率は97%(5回以下のやり直しを含む)。10個の商品を取り出す時間は平均131秒という。
今回の実証実験は、山善とINSOL-HIGHが4月に発表した業務提携の一環。両社は2026年春頃に、最大50台の人型ロボットを動かしながら、ロボット制御向けのAIモデルに必要な学習データを収集する「フィジカルデータ生成センター」を構築。26年度内に現場への本格実装を目指す。
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