DeNA中間決算、ポケポケ効果継続で大幅増益 「AIにオールイン」の進捗具合は?
ディー・エヌ・エーは、2026年3月期第2四半期までの連結決算(25年4月1日〜9月30日、IFRS)を発表した。ゲーム事業の好調により増収増益だった一方、AIに関する取り組みを含むセグメント「新規事業・その他」は赤字だった。
ディー・エヌ・エーは11月10日、2026年3月期第2四半期までの連結決算(25年4月1日〜9月30日、IFRS)を発表した。売上は831億5100万円(前年同期比18.3%増)、営業利益は249億4600万円(同354.1%増)、純利益は230億2700万円(同667.7%増)だった。ゲーム事業の好調により増収増益だった一方、AIに関する取り組みを含むセグメント「新規事業・その他」は赤字だった。
ゲーム事業では、売上が335億7400万円(同48.9%増)、セグメント利益が170億3900万円(同615.8%増)だった。スマートフォンゲーム「Pokemon Trading Card Game Pocket」(ポケポケ)のヒットが引き続き貢献した。
一方、新規事業・その他では、売上が12億5300万円(同25.2%減)となった。セグメント損失は12億9100万円となり、前年同期の5億500万円から損失額が拡大した。なお、同セグメントには、同社が注力するAI関連の取り組みも含まれている。
この結果をどう受け止めているのか。ディー・エヌ・エーの岡村信悟CEOは、AIを利用した新規事業について「すぐに成果が出るわけではない。ある程度投資が必要になる」と述べる。一方で「AIの世界は、これまでとスピード感が違う」と指摘する。
例えば、AIを活用したプロトタイプの作成や、検証の効率化などにより、事業を進める速度を高める。同社では現在、新たなAIサービスを20ほど企画しており、複数サービスで社内テストを進めている段階という。岡村CEOは「素早く成果が出ることを期待している」とした。
またディー・エヌ・エーでは、AIを利用した新規事業の他に、AIによる全社的な生産性の向上などにも取り組んでいる。社員のAIスキルを強化することで、生産性の向上によるコスト削減を見込む。
加えて、岡村CEOは「既存のサービスや製品のプロセスにも、AIが入り込んでいる」と説明する。「具体的な数字では言えないが、(全事業における)収益を上げる前提の中にAIが入っている」と強調した。
なお、ディー・エヌ・エーは10日、同社傘下として、AI領域への投資に特化したデライト・ベンチャーズ・ビルダー3号を設立すると発表した。出資総額は50億5100万円で、ディー・エヌ・エーの出資比率は98.99%となる予定。
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