「AI作品にはタグを付けて」――KADOKAWA運営の小説投稿サイト「カクヨム」が呼び掛け
KADOKAWAとはてなは、共同で運営する小説投稿サイト「カクヨム」で、生成AIを活用した作品に対し、AIの利用を示すタグ付けを推奨した。
KADOKAWAとはてなは11月19日、共同で運営する小説投稿サイト「カクヨム」を巡り、生成AIを活用した作品にはAIの利用を示すタグを付けるようユーザーに呼び掛けた。カクヨムでは10月、あるユーザーがAIを活用して制作したとする作品を大量に投稿し、ランキングで1位を獲得したことがSNSで物議を醸した。KADOKAWAとはてなが作品の大量投稿に注意喚起するに至っており、今回の呼び掛けもこれを踏まえたものとみられる。
カクヨムでは、ユーザーが20文字以内のタグを自由に作成し、1作品に対して8個まで設定できる。今回の呼び掛けでは、AIの利用度合いに応じ、3種類のタグ付けを推奨した。作品本文の約50%以上をAIで生成している場合は「AI本文利用」、50%未満は「AI本文一部利用」、AIをアイデアや資料、校正などで補助的に使った場合は「AI補助利用」となる。なお、タグ付けの区分は「あくまで目安」としている。
一方、カクヨムで12月から募集を始めるコンテスト「カクヨムコンテスト11」「カクヨムコンテスト11【短編】」にAI活用作品を応募する場合は、タグ付けが必須になる。KADOKAWAとはてなは「タグがあることによってランキングなどで不利になることはない。あくまでコンテスト内で参加者の条件をそろえるための措置」と説明している。
カクヨムでは10月末ごろ、あるユーザーがAIを活用して作成したとする作品を大量に投稿。作品の人気度を示すランキングの1位を獲得したとして、X上で物議を醸した。これを受け、KADOKAWAとはてなは11月13日、カクヨムで「通常の創作活動では考えられないような膨大な量を短期間で投稿する行為」を控えるよう注意喚起していた。
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