デジ庁、「国産LLM」の公募開始 行政向けAIに実装へ
デジタル庁は、行政向けAIサービスで利用する国産の大規模言語モデル(LLM)の公募を始めた。この取り組みに先行する形で、Preferred Networksが開発するAI翻訳サービス「PLaMo翻訳」を源内に導入すると発表した。
デジタル庁は12月2日、行政向けAIサービスで利用する国産の大規模言語モデル(LLM)の公募を始めた。同庁が開発した生成AIプラットフォーム「源内」などへの導入を想定する。同日、この取り組みに先行する形で、Preferred Networksが開発するAI翻訳サービス「PLaMo翻訳」を源内に導入すると発表した。
源内は、デジタル庁が5月から利用している内製のAIプラットフォーム。AIチャットや文章作成などの基本機能に加え、行政業務を支援するアプリも使える。基本機能では、米AmazonのAIモデル「Nova Lite」と、米AnthropicのAIモデル「Claude 3 Haiku」「Claude 3.5 Sonnet」が利用でき、10月には米OpenAIのAIモデルも導入すると発表していた。
今回の公募の対象は、国内で開発されたLLMやSLM(小規模言語モデル)、公共や行政分野などに特化した言語モデル。AIチャットや行政業務に特化したAIアプリへの組み込みなどを想定する。公募期間は12月2日から2026年1月30日までで、26年度中に源内上での試験導入と検証を実施。27年度以降の本格提供を検討する。
なお、自然言語を取り扱えないAIモデルは公募の対象外となる。また、政府共通のクラウド基盤「ガバメントクラウド」上で動作することや、海外の主要なLLMと比較したベンチマークの結果の提出するなどの条件を課す。加えて、26年度中は無償での提供を求める一方、ガバメントクラウドに関するインフラ費用はデジタル庁の負担を検討している。
デジタル庁は、26年度に源内の他省庁への横展開を進める予定だ。こうした取り組みを進める上で、デジタル庁は「日本語の語彙や表現、行政文書特有の記述様式等に適合した、国内企業や国内研究機関が開発するLLMの活用が重要」と指摘。行政業務の信頼性を保つためにも、国産LLMの活用は不可欠とした。
また、デジタル庁は今回の公募に先行する形で、PLaMo翻訳を源内上で提供する。12月中に同庁内で利用を始め、26年以降に他省庁に展開する方針だ。
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