NECは12月2日、警察や消防の緊急通報指令室を支援するAI技術を開発したと発表した。複雑な通話内容でも状況を正確に把握し、次にとるべき行動を提案する。
マルチ言語に対応し、グローバルなカスタマイズが可能。2026年度中に、さまざまな国での導入を目指す。
緊急時の混乱した状況では、通話者の説明が分かりにくく、情報把握が困難になるケースも多い。新技術は緊急通報の会話内容をリアルタイムで解析し、重要な情報を基に、状況分析と、次にとるべきアクションを提案する。
「会話分析」「情報管理」「行動提案」などに特化した複数の専門AIにそれぞれの役割を分担させ、緊密に連携させることで、会話内容を複合的に判断。誤った情報が混入したり、会話の途中で状況が変化した場合でも、正確に緊急通報の内容を把握するという。
AIが導き出した状況判断や行動決定の根拠を明確に提示する「説明可能なAI」を搭載。オペレーターはAIの提案に対して、根拠を確認した上で、判断・対応できる。
これにより、熟練のオペレーターのように安定した精度で緊急通報に対応でき、オペレーターの負荷を軽減できるという。
NEC欧州研究所が開発したAI技術を活用。多言語に対応し、さまざまな国や地域で使用できる。欧州連合(EU)のAI規制法など、各地の基準・規格に適合させられるという。
各専門AIを入替・チューニングすれば、低コストかつ短期間で、異なる業務要件や業界特有のニーズに応えるチューニングが可能。企業のコンタクトセンターなどにも応用できる。
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