XのAI機能「画像を編集」が波紋 「画像やイラスト全部消しました」の声も 法的観点は?
Web版のXなどで12月24日までに利用可能になった「画像を編集」機能が波紋を広げている。他人の画像でもワンクリックでAI編集できる同機能に対し、悪用を不安視する声が続出。中にはこれまでXに投稿した画像やイラストを削除したとするアカウントも現れ始めている。
Web版のXなどで12月24日までに利用可能になった「画像を編集」機能が波紋を広げている。他人の画像でもワンクリックでAI編集できる同機能に対し、悪用を不安視する声が続出。中にはこれまでXに投稿した画像やイラストを削除したとするアカウントも現れ始めている。
同機能では、ポストに添付された画像にマウスカーソルを合わせると、右下に「画像を編集」という項目が表示され、クリックするとチャット画面が立ち上がる。そのチャット欄にテキストで指示内容を入力すると、AIが指示通りに画像を加工する。
作った画像をXに投稿すると、AIで編集した旨を示すマークが表示される。マークをクリックすると、オリジナル画像との比較もできる。iOSアプリ版のXでも提供しており、無料ユーザーでも利用可能だ。
参考記事:Xに画像の“AI加工機能”出現 他人のポストでも、1クリックで画像編集 「最悪なシステム」と物議に
Xでは24日夕方ごろから話題になり始め、25日朝には日本のトレンドにも入った。ただし悪用や著作権侵害につながる使い方を懸念する声が多く、中には自分の投稿した画像やイラストを勝手にAIで加工されたくないとして、全て削除したとする人も見られる。
「Bluesky」や「Misskey」など、他SNSへの“脱出論”も再燃。「ブルスカ」などのワードもトレンド入りしている。各SNSやそのスタッフが運営するXアカウントが“脱出”に触れたり、自社サービスに誘導したりする動きも見られており、Xへの不信感が高まっている様子だ。
法的問題点は? 有識者の見方
著作権などの問題に詳しい、骨董通り法律事務所の福井健策弁護士がXに投稿したところによれば「著作権について挙げるだけでも、他人の著作物を無断で改変し公開すれば著作権、著作者人格権(同一性保持権)の侵害、更に特定のウォーターマークなどを消せば同じく氏名表示権の侵害やみなし侵害に該当する可能性は高い」という。
ただしXの利用規約には、Xは投稿を自由に処理・改変・修正・公表でき、それらを他者に許諾できることが明記されているため、日本の法律では「加工投稿が侵害と見なされるかは、微妙な判断」との見方を示している。
一方で、消費者契約法10条をはじめユーザーに一方的に不利な約款を無効とする仕組みも存在することにも触れ「こうした仕様変更と規約を巡る世界のユーザーの批判が強ければ、事業者は無視はできない」との考えも示している。
【修正:2025年12月25日午後9時15分】当初、見出しを「XのAI機能『画像を編集』が波紋 『画像やイラスト全部消しました』の声も 法的問題点は?」としておりましたが「XのAI機能『画像を編集』が波紋 『画像やイラスト全部消しました』の声も 法的観点は?」に改めました
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