GoogleがAndroidの検索最適化に必死な理由
AndroidのイノベーションのペースでiPhoneと肩を並べておくことは、Googleにとって決定的に重大になる。
AppleのiPhoneかT-MobileのG1のユーザーなら多分、タッチスクリーンを頻繁に使っているので、何かが変われば必ず気付くだろう。しかしあまりによく使っているために、微妙な変化に気付かないこともあるかもしれない。
Googleは絶えず、iPhone上の検索結果レンダリング方法を改善している。先月Googleは、検索結果の処理速度を高速化し、iPhoneでのレンダリング方法を変えるための変更を施していることを明らかにした。
よほど複雑なWebアプリケーションを除けば、検索結果の画面表示がフォーマットされ、画面を拡大したり左右にスクロールする必要がなくなったことに、多分ユーザーは気付いただろう。
以前そうなっていたのは、Safariブラウザを使って手動でGoogle.comを閲覧した場合のみだった。Search Engine Watchによると、今ではSafariブラウザでデフォルトのGoogle検索ボックスを使うと、新しい結果ページが表示されるようになった。高速化された新しい検索結果ページは現在、ファームウェア2.xのAndroid、iPhone、iPod touchの米国英語版で表示される。
さらに重要なことに、GoogleはAndroid端末でもこれができるようになったと表明した。Androidホームページ上の検索ウィジェット、またはGoogle.comで検索すると、この新しい結果ページが表示される。iPhoneとAndroidの新しい検索結果ページはGoogleの公式ブログで参照できる。
G1または、SIMロックが解除された開発者専用のガジェットを持っているのでない限り、このことに大した意味はないだろう。しかし競争上の観点から見ると、Android端末のイノベーションのペースを1300万人のユーザーを持つ最大手のスマートフォンiPhoneに比べ、上とはいかないまでも肩を並べておくことは、Googleにとって決定的に重大になる。
2009年はMotorolaやSprintなどの各社からさらに多くのAndroid搭載端末が発売される見通しだ。従ってGoogleは、こうしたガジェット上で自社のWebサービスが最適なレベルで使えるようにしておく必要がある。そうしなければAndroidがiPhoneに対抗できる見通しはない。Googleは先月、iPhoneの音声検索機能を発表したが、G1では発表しなかった。これでG1はどれくらい不利になるのだろうかとわたしは考えたものだ。
Googleには、Research In Motion(RIM)のBlackBerry Stormのような悪評に見舞われている余裕はない。Androidはどんな端末に搭載されようと快適で、事実上完全無欠のものにしておく必要がある。
来年はスマートフォンをめぐる激烈なバトルが巻き起こる。検索結果レンダリングがわずかに速いとか効率的だといったほんの小さなことが、Apple、Google、RIM、Nokia Symbian、Windows Mobileを巻き込んだ争いを決しかねないのだ。
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