「やめる」ことを決めるのだ:シゴトハッカーズ(4/4 ページ)
実は「やること」よりも、「やめること」のほうがエネルギーが必要だったりします。今回は、やめることをどうやって探し出すか、どうやって止めることを決断するかを考えます。
見えないものは、やらなくなる
本来、ただ「やめる」ということはそれほど難しいことではありません。「やる」ことは「やらない」ことに比べれば、エネルギーを使うからです。
にもかかわらず、「やめてもいいことをやり続けてしまう」とすれば、それには理由があるはずです。その最大の理由は、
やり続けてしまっていることで犠牲になっている、もっとやりたいことが見えなくなっている
からでしょう。
これを買い物にたとえてみれば分かりやすくなります。
本当はもっと欲しいものがあるにもかかわらず、さほど欲しくもないものをつい買ってしまうとすれば、その人は自分の本当に欲しい物を、忘れてしまっているのです。
よくいわれている通り、人間の現在その場で利用できる記憶領域には、限りがあります。一時期にたくさんのことを思い出したり意識したりするのは、難しいのです。目の前に、ちょっと欲しいものや、ちょっとやりたいことが見えていると、そのとき見えないもののことは思い出せないのです。
こういったわけで、普段からやり続けているが故に、普段から目にさらされ続けている対象のほうが、手を出しやすくなります。やめるキッカケを得るためには、本当にやりたいこと、本当に欲しいものを、絶えず目の前にさらし意識し続けられるようにする、仕組みが必要になるのです。
そうすれば、机の上に、例えばちょっと読みたい本と、前からずっと読みたかった本とが並ぶことになり、いずれかを選ぶという選択ができます。読みかけだったからちょっと読みたい本を毎日読み続けてしまう――という習慣を見直すキッカケが得られるわけです。
もう1つ、「やめてもいいことをやめる」メリットとして、「その代わりにも何もしない」という選択肢があります。
これを選び取るためには、「やめてもいいこと」と「本当にやりたいこと」を比較する以外に、「何もしないこと」も比較対象とする必要があります。机の上があふれかえりそうになって不便なとき、「本当に必要なもの」を置くようにする選択もありますが、「できる限り何も置かない」ようにする方法もあるということです。
したがって、「やめることを見つけるキッカケを得る」には、
- 本当にやりたいことや欲しいものを絶えず目の前にさらし、意識する仕掛けを作る
- 何もしない、何もない状態も想像する。必要ならば、本や雑誌を参考にする
のがいいでしょう。
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