デジタルペンにも色々あるけど――ぺんてるの「airpen」はどこがすごいのか:仕事耕具(2/2 ページ)
ノート+ペンのスタイルで、書いた内容をデジタルデータとしても保存できるデジタルペン。オールインワンタイプの代表格とも言えるぺんてるの「airpen ストレージノート2.0」を実際に使ってみた感想をお伝えする。
紙でもデータでも色が変わる――別売りのカラーペンが便利
複数のカラーペンを利用できるのは、デジタルペンとしての本製品の大きな特徴。パッケージに付属するのは黒だけだが、別売で赤/青のペンもそろえている。ペンを変えれば、ノートに書き込まれる色も、デジタルデータ上の色も変わるから非常に分かりやすい。ここからは青、ここからは赤、という風にメモリーユニットを操作するよりずっと直感的に使える。イラストは黒で、引き出し線や文字での補足は赤や青で、といった分かりやすい使い方ができる。デジタルペンとしては異色の機能だ。
PC側の準備も簡単。付属CDから専用アプリケーションの「airpenNote」をインストール。airpenNoteを起動してメモリーユニットとPCを付属のUSBケーブルで接続すれば、airpenNoteがメモリーユニットを認識してくれる。メモリーユニットはPC(正確にはWindows)からはマウスなどと同じようにHID(ヒューマン・インタフェース・デバイス)として認識されるので、専用ドライバをインストールする手間もドライバの相性問題に悩まされる事もない。
メモリーユニット内のデータの取り込みは、airpenNoteからアップロードを実行するだけ。ページ単位でPCへの転送が行われ、ページの先頭の文字列が自動でタイトルに設定され、タイトルは後で任意に変更もできる。取り込み日別に一覧もできるし、任意のタグを設定も可能だ。書棚にフォルダ(ノート)を作って任意に分類もできる。タグ付けや分類は面倒という場合は文字列での検索機能を使えばよい。
「書き順データ」で文字認識率アップ、重ね書きもOK
データがストローク情報として取り込まれるのは、紙のメモをスキャナーで取り込む場合と大きく異なる点。要するに、文字でも絵でも紙に書いた手順をそのまま取り込む、いわゆるベクトルデータだ。ストローク情報だと何がいいかというと、例えば文字の上に引き出し線を重ねてしまっても文字認識には問題ない。ページ送り操作を忘れて2枚分のメモを重ねて書いた状態になっても、エディタのスライダ機能を使って1枚分ずつに綺麗に分離できる。同じようにイラストに注釈をどんどん書き込んだような状態でも、イラストだけを綺麗に取り出すといったこともできる。
文字認識も書き順を見ているから、乱筆にも結構強そうだ。筆者はPC常用者に有りがちな乱筆だが、普通に書いた文字でも結構な確率で文字認識してくれる。なかなか100%の文字識別率とはいかないが、複数ページに渡った手書きメモを一から入力するよりはずっと楽だろう。普段から紙のメモを使っている人なら、筆者よりはずっと正常に文字認識してくれると思う。既に触れているが、文字の上に引き出し線などが重なっていても問題なく文字認識してくれる点も、紙に書くときに配慮が不要という点で大きなポイントと言える。
ページ合成できれば……
airpenNoteの機能として惜しいと思ったのは、スライダの逆で、ページを合成する機能がないことだろうか。ページを重ね合わせることができれば、過去のデータでまだ紙のメモが残っている場合、そのメモに対して注釈を入れるといった使い方ができる、コピー&ペーストで近い事はできるのだが、位置合わせが必要になってしまう。どうせならページ単位の合成もあると便利かな、とは思った。
airpen ストレージノート2.0はオールインワンタイプとしての手軽の使い勝手はもちろん、付属ソフトのairpenNOTEは検索性も高く、デジタルデータしての取り込みから管理までこれ1つで十分にこなしてくれる。とにかく「すべての手書きメモをデジタル化」の実践には、airpen ストレージノート2.0が一番手っ取り早いのではないかと思うのだ。
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