「過ぎたるは及ばざるがごとし」と言うけれど、仕事はどこまでやれば十分なのか?:3分LifeHacking
あるタスクについて、何をどこまでやればいいのか? そのさじ加減は、意外に難しいものですね。今回はこのテーマを取り上げます。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」とは言いますが、「この辺でいいかな?」と、とりあえず提出してみると「こんなんじゃダメ!」としかられ、完ぺきを目指して、じっくり取り組んでいると「そこまでやらなくていいよ」と、これまたダメ出し……。結局、何をどこまでやればいいのか? そのさじ加減は、意外に難しいものですね。こちらでは、このテーマについて取り上げてみたいと思います。
「完ぺき」 vs. 「十分」
完ぺきを追求することは必ずしも悪いことではありません。むしろ、素晴らしい成果をもたらすことも多くあります。一方で、「ここまで達成していれば十分」というレベルがあることも事実。常に完ぺきでなければ気が済まない「完ぺき主義者」にとって、「十分なレベルを満たしていればよい」という感覚は、なかなか理解しがたいかもしれませんが、時間は無限にあるわけではありません。完ぺきを追求しすぎるあまり、効率性がそがれたり、プロジェクトやタスクが永遠に「未完」となってしまうことも……。
「完ぺき」が陥る「収穫逓減の法則」
ある一定のポイントを超えても、さらに完ぺきを追求すると、経済学でいう「収穫逓減の法則」に陥る可能性があります。ある財の生産を増やそうとして生産要素を投入した場合、要素の追加投入量に対する、単位当たりの収穫量の増加が次第に少なくなる、という法則を指すのですが、この「完ぺき主義」のケースで言うと、一定レベルを超えると、時間や労力をかけても、ここから得られる成果は少なくなるというわけ。つまり、「十分」は単なる妥協ではなく、仕事を進めていく上で時には重要なことなのです。
「十分」とは、「十分なレベル」を確保すること
では、「十分」とは、どんなレベルを意味するのでしょう?
例えば、技術に長けている人だけが使えるメディアセンターは、十分とはいえません。サーバにテレビドラマを追加したとして、家族や友人がこの操作ができないのであれば、たとえ自分にとって事足りていても、「十分」とはいえないのです。
仕事においては、「十分」のレベルは、上司や顧客など、周りの人によって決められることが多いでしょう。また、タスクやプロジェクトの成果を判断する人物が自分しかいない場合は、どういう場合でも自分にうまく機能するレベルが「十分」なレベルといえるかもしれません。
ToDoリストの「亡霊」による「たたり」
本当は、十分なレベルにまで達していないのだけれど「できたことにしてしまおう」と「完遂扱い」にしたタスクやプロジェクトは、後々まで意識の中に残り、精神的なストレスになってしまうかも……。
ToDoリストに未完のタスクが羅列されていると、これによって、焦りやストレスを感じるものですが、本当は完了していないのに、ToDoリストに「完了」のチェックマークを入れてしまったタスクには、さらに別の苦しみが……。亡霊のように、いつまでも頭の中でつきまとわれ、ストレスの基になってしまいます。
「完了まであと一歩」リストを作ろう
では、ToDoリストからのプレッシャーや、タスクを亡き者にしてしまった「たたり」から解放されるためには、どうすればよいのでしょう? わたしのオススメは、「完了まであと一歩」リスト(Polish List)を作ること。十分なレベルまであと一歩というタスクは、別にリスト化して、マネジメントするのです。ここでポイントは、「完了まであともうちょっと」というタスクやプロジェクトをすべて書き出してまとめておくこと。こうすることで、やるべきことを完遂するまで、自分の頭や意識に頼らずに管理でき、ストレスも軽減できます。
自分の限りある時間と労力を、何にどれだけ振り分け、いかに成果を最大化するか? が、ビジネスパーソンの腕の見せどころ。そのためには、「良い加減」を的確に見極める賢さも、必要のようですね。
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