「毎回微妙に異なるが、忘れずにこなすこと」を“タスクセット”で処理する:あなたの不安、見積もります
私の仕事の「毎週のブログ」「セミナー準備」「アフターサービス」にはルーチンではないものの、ルーチン的な作業を多く含んでいます。こうした「毎回微妙に異なるが、忘れずにこなすこと」が大事な作業は「タスクセット」で処理するのがポイントなのでした。
基本中の基本かもしれませんが、これがあるのとないのとでは仕事のはかどり方が違うという仕事の進め方があります。今回はその1つをご紹介しましょう。
いわゆる「シンプル」なToDoリストの中にはできないものもありますが、多くのタスク管理ツールに備わっている機能としてToDoの「階層構造ごとコピーする機能」があります。
例えば私の仕事であれば「毎週のブログエントリ」や「セミナー準備からアフターサービスまで」のタスクにはルーチン的な作業を多く含んでいるのです。セミナーなら会場を確保し、告知文を練り、ブログで告知し、受付の担当者にメールを打つ――などなどであります。
このタスクの「セット」は決まりきった期間で繰り返すわけではないですし、セミナーをしない時にはまるきり登場しないタスク群になります。とはいえ、いざセミナーを実施するとなった場合、たちまち大量に用意しなければならないタスクセットでもあります。
毎回作業は異なるのでルーチンとは言えない一方、その場でいちいちブレインストーミングしてタスクの解決を図るほどでもありません。定期的に同じことを繰り返しはしないけれども、ほとんどの作業で大事なことは「忘れずにこなしていく」ことだし、そういう意味では“同じこと”の繰り返しだからです。そのような作業の「セット」は一度作ったものをコピーして使い回すのがベストでしょう。
私はその管理のために「OmniFocus」(英文)というMacの専用ソフトを使っています。1つのプロジェクトを「テンプレート」扱いにして使う時だけコピーすればすぐに「タスクセット」が用意できるので便利なのです。
セミナーをやるとなったらタスクセットをコピペする。本を書くとなったらタスクセットをコピペする。後はその時々で過不足を修正し日付属性を与えていくだけです。
「セットは全然作ってない。毎回プロジェクトのタスクはイチから作り直す」という人がいらっしゃったら、それはとてももったいないこと。ぜひお試しいただきたいと思います。
筆者:佐々木正悟
心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。
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