名刺はどこで生まれたの? そして日本にやって来た日:仕事をしたら“世界の名刺”が見えてきた(中編)(3/5 ページ)
普段、何気なく使っている名刺は、いつ・どの国で誕生したのか。そして、日本にはいつ・どういった形で使われ始めたのか。名刺の達人・Sansan株式会社の富岡さんに話を聞いた。
シンガポールの名刺事情
土肥:富岡さんは昨年、シンガポールと香港に行かれたそうですね。両国の名刺事情はどうでしたか?
富岡:シンガポールと香港では、名刺をどのように使っているのかよく分からなかったんですよ。なので行く前に、想定質問をたくさんつくっていました。例えば「名刺交換をされますか?」「名刺を持っていますか?」「どんなシーンで名刺を使いますか?」「名刺をどのように管理されていますか?」などなど。
土肥:まず、シンガポールの話から聞かせてください。どうでしたか?
富岡:ごく普通に名刺交換をしていましたね。
土肥:普通……。「普通」じゃあ、記事にできないじゃないですかーっ(笑)。
富岡:たくさん質問を用意していたのですが、もーどーでもよくなってしまって(笑)。相手も「なんでお前はそんな当たり前のことを聞くんだ?」といった感じなんですよ。私が想像していた以上に、シンガポールと香港では名刺を当たり前のように使っていました。
土肥:日本と変わらない?
富岡:変わらないですね。名刺入れも持っていますし。でも日本では名刺をもらったらそれを名刺入れの上にのせますよね。シンガポールではそんな光景は見かけませんでした。また名刺を渡すときに「相手よりも下に」といった光景も見ませんでした。またオフィスの机の上には名刺ボックスが置いてあって、そこで管理している人が多かったですね。
シンガポールでは昔から名刺が使われていたようですが、近年になって流通量が増えてきているようです。
土肥:それはなぜでしょうか?
富岡:ビジネスパーソンが増えてきたからではないでしょうか。シンガポールでは国内だけでビジネスをしているのではなく、東南アジアの拠点として活動している人が多い。なので、東南アジアの国へ出張に行った際に、名刺交換をするケースが増えてきたようですね。
土肥:グローバル化の波がシンガポールにも来ていて、その結果、名刺を持つ人が増え、流通量も増えてきたということですね。
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