名刺はどこで生まれたの? そして日本にやって来た日:仕事をしたら“世界の名刺”が見えてきた(中編)(4/5 ページ)
普段、何気なく使っている名刺は、いつ・どの国で誕生したのか。そして、日本にはいつ・どういった形で使われ始めたのか。名刺の達人・Sansan株式会社の富岡さんに話を聞いた。
海外から見た、日本の名刺文化
土肥:ところで香港はどうでしたか?
富岡:香港でも「名刺を持っていますか?」「どんなシーンで名刺を使いますか」などを聞きました。でも結果は、シンガポールと同じ。現地の人に「なんでそんなこと聞くの? 当たり前でしょう」といった答えが続いたので、バカらしくなって聞くのを止めました(笑)。
土肥:名刺というのは日本独特のモノだと思っていましたが、シンガポールと香港を見る限り、日本とほぼ同じなんですね。
逆に海外の人は、日本の名刺文化をどのように見ているのでしょうか? 頭をペコペコして「どーも、どーも」と言って渡す姿を見て、「日本人ってヘンだよ!」と思っているのでしょうか?
富岡:日本人のステレオタイプのひとつとして、受け止められていますね。日本人の旅行客が肩からカメラをぶらさげているように、日本のサラリーマンはいつも名刺交換をしている、といった感じで。
名刺は世界で年間100億枚くらい使われているそうですが、あるフランス人はこのように言っていました。「100億枚のうち、日本人が70億〜80億枚使っているんでしょう?」と。それほど日本人は名刺をよく使っている、といったイメージがあるようですね。
また外国人からすると、日本人は名刺をものすごく大切にしているイメージが強いですね。実際、日本では「名刺はその人の分身だと思え。だから大切に扱え」という人がいますが、海外ではそこまで“重み”を感じている人は少ないですね。
例えば、日本人は名刺のカドが少し折れているだけでも、その名刺を相手に渡そうとしない。それを渡したら相手に失礼だから……といった理由で。ほとんどの外国人は、名刺が折れていることには気付いていないですよ。
関連記事
- 達人に聞いた――日本と違う? 海外の名刺事情
頭をペコペコ下げて「どーも、どーも」と言いながら、名刺交換をする。日本では当たり前のシーンだが、外国ではどのように名刺を使っているのだろうか。そんな疑問を感じたので、“達人”に世界の名刺事情をうかがった。 - なぜ給料が二極化するのか? 年収200万円と800万円の人
景気低迷の影響を受け、給料は下がり続けている――。そんなビジネスパーソンも少なくないだろう。では、今後10年間はどうなのか。リクルートで働き、中学校の校長を務めた藤原和博さんに「10年後の給料」を予測してもらった。 - なぜ内定をもらえない学生が出てくるのか――彼らの行動を分析した
学生の就活が本格化しているが、内定をもらえる人ともらえない人でどのような違いがあるのか。これまでよく分からなかったことが、ビッグデータで明らかになってきたという。就活生の行動を分析している、リクルートキャリアの担当者に話を聞いた。 - アナログ派? それともスマホ派? タイプ別名刺管理一覧
春になって新しい部署に配属されたり、昇進して肩書きが変わった人も多いのではないだろうか。そんな変化を実感するビジネスツールの1つが名刺だ。人によっては数千枚の名刺を持っている人もいるが、そうなると大変なのが管理。挫折しないで続けられる管理術を考えたい。 - なぜ「名刺は99枚」なのか
そもそも名刺手帳に選ぶ名刺がなぜ99枚なのか。今回はその理由について、お伝えしましょう。 - 成功のための実践例、津田大介さんのクラウド名刺管理術
新番組「誠 Best Practice」の模様をまとめました。初回のゲストはメディアジャーナリストの津田大介さん。聞き手は“ガジェッティーぬ女優”こと、いとうまい子さんです。 - 仕事をしたら○○が見えてきた・バックナンバー:
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.