クールビズ、事前に「カジュアルでお越しください」と伝える気遣い:田中淳子の人間関係に効く“サプリ”(1/2 ページ)
企業におけるクールビズはすっかり定着した感がある。ビルの入り口などにクールビズの断り書きを見掛けることが多い。ただ、もう少し工夫があってもいいのになあ、とよく思う。
田中淳子の人間関係に効く“サプリ”:
職場のコミュニケーションに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。「上司にこんなことを言ったら怒られるかもしれない」「部下には気をつかってしまうし」――。
本コラムでは、職場で役立つコミュニケーション術をご紹介します。具体例を挙げながら「なるほど! こういうやり方があるのか」「これなら自分でもできるかもしれない」と感じてもらえるよう、筆者が見聞きした出来事をちりばめています。
明日から……ではなく、いますぐに試すことができる「コミュニケーションのヒント」をご紹介しましょう。
アポイントを取る際には、訪問先の場所や入館方法、自社側の訪問人数など詳細に詰めておく必要がある。そんなことは常識と思われるかもしれないが、実は苦い思い出があるので紹介したい。
もう15年ほど前の話だが、ある企業を訪問した際のこと。当日になって急きょ上司も同行することとなったのだが、担当営業から先方に連絡を入れないまま、直接顧客先に出向いてしまった。現地に到着し、入館手続きを申し出ると「3人と聞いていますが、4人ですか? 事前に連絡してありますか?」と守衛さんに尋ねられた。「連絡はしておりません」と答えたところ、大目玉をくらってしまった。
「事前に登録しておいてもらわないと非常に困る」と守衛さんは言い、大の大人が4人1列に並ばされ、10分近くこんこんと説教されてしまった。
各企業がセキュリティを強化し始めた時期だったこともあり、自社の都合で「1人くらい増えても大丈夫だろう」と軽く考えるのは先方に迷惑を掛けてしまうこともあるのだと強く心に刻んだ。最近では人数を伝えるだけでなく、相手先によっては、氏名も事前に伝えておくルールになっているケースもあるので要注意だ。
話は変わるが、企業におけるクールビズはすっかり定着した感がある。ビルの入り口などにクールビズの断り書きを見掛けることが多い。ただ、もう少し工夫があってもいいのになあ、とよく思う。「クールビズの断り書き」は、大抵こんな感じの文章になっているのだ。
一工夫欲しい、クールビズの断り書き
「当社は節電対策の一環でクールビズを採用しております。従業員がジャケット、ネクタイなしで勤務している場合があります。ご了承ください」
「当社は夏季期間、軽装での勤務を推奨しております。従業員がカジュアルウェアで勤務しております点、ご理解いただけますようお願い申し上げます」
「当社はクールビズですよ。だから社員は皆、ジャケットやネクタイはしていませんけど、その点は理解してくださいね」と言う内容なのだ。あくまでも自社視点の断り書きである。自社が他社から「ラフな格好で失礼だ」と思われないための予防策ともいえよう。
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