給料よりも大切なもの:ずっと「安月給」の人の思考法(2/3 ページ)
世の中には、自分の仕事や給料に不満を持っている人は少なくありません。いくら欲しいのか、また、どんな仕事をしたいのか。理想の働き方はあるのか――。今回は、給料よりも大事なもの「自己内利益」について紹介します。
高収入の仕事に就きたいと考えるのは自然なことだが……
企業が利益に重きを置いてビジネスをしなければいけないのと同じように、個人はこの「自己内利益」に重きを置いて仕事をしなければなりません。
仕事を選ぶとき、「売上(給料)」を気にするのは自然なことなので、高収入の仕事に就きたいと考えるのは悪いことではありません。
ですが、その「高収入」を得るのに、どれだけの「費用」がかかるか、考えていますか? 転職エージェントの人材募集広告には、「年収1000万円以上のハイクラス求人!」などの高収入をうたう訴求がされています。しかし、その募集案内の中に「この仕事がどれだけ大変で、毎日どれだけの体力的、精神的エネルギーを費やさなければいけないか」は書いてありません。
「年収○○万円が目標」と口にする人は多いですが、本来それはまったく意味がありません。「利益」を目標にしなければいけないからです。年収しか見ていないから、転職して年収が上がったのに、かえってしんどくなる、ということが起こってしまうのです。
仮に年収が1.2倍になっても、忙しさが2倍になっていたら「利益」は減ってしまいます。いつまでたっても楽にならないと感じるのは、「自己内利益」が増えていないからです。
いくら収入が多くてもそれ以上に「費用」が大きければ、「自己内利益」は赤字になります。
企業は赤字のビジネスをやらない(やめる)と判断をしますね。それと同じで、個人も「自己内利益」が赤字の仕事は「やらない」と判断すべきです。
「働いても働いても楽にならないのは、収入が少ないからだ」と考えていたかもしれませんが、そうではありません。「赤字」の働き方だから、楽にならないのです。
労働者にとって給料は大事です。しかしそれ以上に自己内利益が大事です。1人の人間として「自己内利益」を見つめ直した働き方、生き方をすべきではないでしょうか。
関連記事
- なぜか低い残業代のカラクリ
給料を増やしたいと思ったとき「長時間働けばそれだけ給料が増える。残業すればいい」と考えがちですが、本当にそうでしょうか? 給料を増やすには、まず自分の「時給」を把握して、そして会社の給料のシステムをよく知ることから始まるのです。 - 団塊世代の懐は寂しい? 退職後のお小遣いは2万円以上の減
団塊世代は働いてきた会社に対し、どのように感じているのだろうか? 漢字一字で表現すると最も多かったのは「忍」、次いで「楽」と“我慢と楽しさ”に意見が分かれる結果となった。ユーキャン調べ。 - 働く女性が、「仕事を楽しむ人」を彼氏にしたいワケ
「仕事を楽しんでいる男性はモテる」――。JTBモチベーションズが行った調査で、こんな結果が出た。働く女性の3人に1人は「仕事を楽しむタイプ」を恋人にしたいそうだが、なぜこうした男性がモテるのか。同社の担当者に話を聞いた。 - 転職した人に聞く、年収はどうなった?
あなたはなぜ転職をされたのですか? 2012年6〜11月の間に転職をした人に聞いたところ「会社の将来に不安を感じて」を挙げる人が最も多かった。リクルートキャリア調べ。 - なぜ給料が二極化するのか? 年収200万円と800万円の人
景気低迷の影響を受け、給料は下がり続けている――。そんなビジネスパーソンも少なくないだろう。では、今後10年間はどうなのか。リクルートで働き、中学校の校長を務めた藤原和博さんに「10年後の給料」を予測してもらった。 - 平均年収1000万円以上の人が、就活生に勧める企業はどこ?
高年収のビジネスパーソンは、就活生にどんな企業を勧めているのだろうか。平均年収が1000万円を超えている人たちに聞いた。ビズリーチ調べ。 - 平均年収、最も高い業種は――DODA調べ
他人の給与は気になるものだが、実際のところどのくらいもらっているのだろうか。転職サイト「DODA(デューダ)」に登録しているビジネスパーソンのデータを基に、業種別の平均年収を調べた。 - 仕事への不満はやっぱりアレ
今の仕事って楽しい? アイシェアがビジネスパーソンに実施した調査によると、46.4%の人が「仕事は楽しい」と回答。一方で「つまらない」と答えた人は21.2%、「普通」と回答した人は32.4%と、全体では「仕事が楽しい」と感じている人が半数近くを占めていることが分かった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.