「でも」「だって」「どうせ」――人から相手にされなくなる“3D”発言に注意:そのひとことを言う前に(2/2 ページ)
会議や話し合いで、みんなから“話を聞いてもらえない”人を見かけたことはありませんか。実はみなさんも無意識のうちに、会議で嫌がられる発言をしてしまっているかもしれません。
パターンC:遠慮しすぎ
Eさん: A案ですかー、うーん……。A案ですよね。なるほどね。そうですよね。
Aさん: 何か?
Eさん: あ! 別に否定しているわけじゃないんですよ、はい。ただまあ、ちょっと気になるなーと思って……
Aさん: (はっきり言えばいいのに……)
自分の思いを察して欲しいという“察してちゃん”のような態度も、周りの人を疲れさせてしまいます。これでも当の本人は意見を言っているつもり、ということはよくありますが「この人の意見は聞く価値がない」と相手にされなくなるのがオチでしょう。
会議全体にとって“プラス”になる言い方を
ここまで挙げてきた発言の例は、周囲の人を不愉快にさせるだけではなく、会議にネガティブな空気を漂わせてしまいます。暗い雰囲気の中で出てくるアイデアや意見はネガティブなものや、無難なものになりがちです。これでは、会議の生産性をなくしてしまう“めんどくさい人”というレッテルを貼られかねません。
相手に“聞いてもらえる”意見にするためには、まずは肯定的な反応を心がけることです。手軽なテクニックとしては、反対意見を言うときにも「なるほど」「確かに」といった言葉で受け止めることが挙げられますが、これを徹底するのは簡単ではありません。「でも」「だって」「どうせ」といった言葉は、それほど反射的に出てしまうのです。
結論と理由をシンプルにまとめることも重要です。ついつい、理由の説明に熱が入って話が長くなってしまう人もいますが、これは逆効果なので気をつけましょう。そして最後に、相手に意見を求めると話し合いが活性化しやすくなります。冒頭の例では、次のように答えるのがよいでしょう。
Aさん: 予算や納期までの時間の都合を考えると、やっぱり今回はこのA案で行くしかないと思うんですよね。
Bさん: なるほど。ただ前回クライアントから「使い勝手に少し問題がある」という指摘があったんで、今回は多少手間がかかってもB案がいいかなと思ってるんですよね。いかがですか?
結局のところ、話を聞いてもらうには、その発言が会議全体の目標にとってプラスであると感じてもらうことが重要です。自分が“話を聞いてもらえない人”であれば、改善するのはもちろんのこと、周りにそういう人がいたらアドバイスしてあげましょう。
もちろん、こうした言動は頭で理解したからといって、会議ですぐに活用できるものでもありません。日常の会話でも意識し、数をこなしていくのが大事なのです。
今回のまとめ
Q:会議で周りの人に発言を軽く扱われている人がいます。何が原因なのでしょう?
A:「でも」「だって」「どうせ」といったネガティブワードを使う人や、話が長い人は“めんどくさい人”と思われている可能性が高いです。会議が活性化するように、相手の意見を肯定したり、意見をシンプルにまとめるようアドバイスするとよさそうです。
著者プロフィール:岩淺こまき
グローバルナレッジネットワーク株式会社 人材教育コンサルタント/ヒューマン・スキル講師
大手システム販売会社にて販売促進、大手IT系人材紹介会社にて人材育成、通信キャリアでの障害対応、メーカーでのマーケティングに従事。さまざまな立場でさまざまな人と仕事をし、「ヒューマン・スキルに長けている人間は得をする」と気づく。提供する側にまわりたいと、2007年より現職。IT業界を中心に、コミュニケーション・ファシリテーション・リーダーシップ、フォロワーシップ、OJT、講師養成など、年間100日以上の登壇及び、コース開発を行っている。日経BP「ITpro」で、マナーに関するクイズ形式のコラムを連載中。
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