定時後の“お手伝い”にNO!――これが「残業地獄」から抜け出す方法:サイボウズ式(2/2 ページ)
残業はしたくない。とはいえ、「仕事が終わらない」状況も、「周りが残業していて帰りにくい」職場の習慣も簡単にはなくならない。それでも残業をなくすにはどうしたらいいのだろうか。
ヘルプは朝に出せ
帰る前の気づかいは不要ですが、「チームで一切助け合いをするな」というわけではありません。仕事の量が見積もりに反して多いとか、何らかのトラブルに巻き込まれたというのであれば、積極的にチームのメンバーに助けを求めるべきです。
助けを求めるなら、「業務時間後」ではなく「朝」にお願いするとよいでしょう。夜になってから急にヘルプを頼むと相手が残業するハメになりますが、朝なら業務時間内に手を打てます。
そのために有効なのが「朝会」の開催です。朝会では、スタッフ各自の「昨日やったこと」や「今日やること」「問題点」などをメンバー間で共有し、ヘルプが必要ならこの場で求めることとします。朝会の場で、問題について深い議論を交わしてはいけません。「◯◯さん、××で困っているので、後で相談に乗ってください」といった「ヘルプのきっかけ」にとどめておくべきです。「ヘルプそのもの」は別の時間に人数を絞ってやらないと時間の無駄になります。
朝会で「私の今日の仕事は◯◯です」と表明することは、「今日は◯◯という仕事をします」というコミット(宣言)でもあります。コミットした仕事はチームのために責任を持ってやり遂げる必要がありますが、コミットした仕事さえしっかりと終えればその日はもう帰っていいということにもなります。このような形で仕事にコミットすることは、無駄なつきあい残業をなくすためにも有効です。
適材適所に仕事を分配する
つきあい残業をチームのルールレベルで禁止し、業務時間中にヘルプを出せる体制を敷いたにもかかわらず残業がなくならないのであれば、「仕事の効率」を見直すことになります。まず大前提としてやるべきは「適材適所に仕事を分配する」ことです。
人は誰でも、仕事に得手不得手があります。同じ仕事でも、「AさんがやるのとBさんがやるのとではかかる時間がまったく違う」というのはよくあること。よほどの事情がない限り、仕事は各自が一番パフォーマンスを発揮しやすいものを割り当てるように心掛けたほうがいいでしょう。これを徹底するだけでも、チームとしてのアウトプットの効率は高まります。
もっとも、「得意な人に振る」ことばかり考えていると、能力が高い特定の人にばかり仕事が集中し、その人がいつも残業になるという悲惨な事態を招くので、そこは適宜調整する必要があります。ここで適切な割り振りができるかどうかが、リーダーや上司の腕の見せどころです。
仕事の割り振りは、最初に決めたものがすべてというわけではありません。仕事を進めていく中でさらに効率の良い割り当てが見つかったら、柔軟に組み替えていくべきです。
残業は会社のためにもならない
残業は個人やチームのためにならないばかりか、会社のためにもなりません。残業代の分だけ人件費は高騰しますし、長時間労働が常態化している会社に優秀な人は入社しません。人材の質も、製品の質も下がっていきます。
「残業=有害」という認識は、健全な会社をつくる上でも必要です。社員が残業ばかりしている会社は、危機感を持たなければなりません。(日野瑛太郎)
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