嘘はついてないか:困っている人のための企画術(3/3 ページ)
広告というのは、その企業や商品のいいところを描きますが、いいところしかないものなんてこの世の中には存在しません。どんな広告にも嘘はあります。だからこそ、リアルを心がけるのです。
「目立つ」にもいろいろなやり方がある
広告というのは、目立たないといけないものだとも思います。ほとんどの広告が、誰の心にも残ることなく消えていく――というのが、事実です。
目立つという意味でも、「嘘をつかない」というのは、1つの方法かもしれません。嘘ばかりついてる広告が世の中の大半だとすると、その中で「嘘をついてない」というだけで目立てるかもしれない。
それを、もっとエンターテインメントにまで昇華する形で実現したのが、関西電通の人たちがつくる金鳥などのCMです。
CMの中で、普通はCMでは言わないような本当のことを平気で言ってしまう。しかも、それがちゃんと、誰もが爆笑するようなおもしろい表現にもなっている。伝統の「大阪の本音CM」というのは、本当にすごい破壊力をもっています。
私が企画したダイハツのCMは、それとはまったく違うタイプのものではありますが、「なるべく嘘をつかないことで、かえって目立つ」という結果になったのかなと思います。
著者プロフィール:
福里真一(ふくさと・しんいち)
ワンスカイ CMプランナー・コピーライター。1968年鎌倉生まれ。一橋大学社会学部卒業。92年電通入社。01年よりワンスカイ所属。
これまで1000本以上のテレビCMを企画・制作している。主な仕事に、吉本興業のタレント総出演で話題になったジョージア「明日があるさ」、樹木希林らの富士フイルム「フジカラーのお店」、トミー・リー・ジョーンズ主演によるサントリーBOSS「宇宙人ジョーンズ」、トヨタ自動車「こども店長」「ReBORN 信長と秀吉」「TOYOTOWN」、ENEOS「エネゴリくん」、ダイハツ「日本のどこかで」、東洋水産「マルちゃん正麺」などがある。
ACC(全日本CM放送連盟)グランプリ、TCC(東京コピーライターズクラブ)グランプリ、クリエイター・オブ・ザ・イヤー、など受賞。その暗い性格からは想像がつかない、親しみのわくCMを数多くつくりだしている。
著書に『電信柱の陰から見てるタイプの企画術』(宣伝会議)がある。
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ライターの松田然さんは、ベンチャーから大企業まで800社以上の取材・広告制作を経験。起業、フリーランス、上場企業、海外企業などのさまざまな働き方を経験し、「挑戦する人のHubになる」をテーマにこれからのライフスタイルのヒントを発信している。 - あなたの企画を“宝石”にする3つのステージ
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