「会社の方針」と「自分の価値観」のすり合わせ:明日を変える働き方(2/2 ページ)
仕事の不満は、会社の目指す方向と自分の目指したいもののギャップに原因があることも。第三者に仕事の不満をロジカルに説明すると、自分の価値観と仕事の何が対立しているのかが明確になるでしょう。
ギャップをロジカルに説明する
Sさんは、仕事に対する不満について、かなりロジカルに状況を分析しています。
彼女のように、仕事と自分のやりたいことが対立していると感じたときには、その原因をしっかりと考えてみることが大切です。「仕事がつまらない」という人は、自分の中でそのつまらなさの原因がはっきりしているかどうか、まず分析してみるとよいと思います。成果が上がらないからか、単純作業が多いからか、それとも人と触れ合うことがないなどの理由か。その他にも将来性が感じられないとか、人間関係がうまくいかないとか、さまざまな理由があるでしょう。働くということにはいろいろな側面があるのです。
まずは、仕事がつまらないという、その理由をはっきりさせることです。ノートやパソコンに向かって、自分が仕事に対して感じていることを、正直に書き出してみるとよいでしょう。自分の心の中でモヤモヤと渦巻いている不満も、いったん外に吐き出してみると、客観的に見ることができます。
1人で悩みを吐き出すことが難しければ、友人や家族など信頼できる人に相談してみるのもよいと思います。他の人に仕事の不満をロジカルに説明していく中で、なぜ自分がそう思うのか、自分の価値観と仕事の何が対立しているのか、明確になっていくはずです。
どうしても会社の価値観と自分の価値観のすり合わせができないという人もいると思います。入社した会社の価値観が、自分の信念と対立してしまう場合、そこで働き続けることは多大なストレスをもたらします。
心身の健康を考えれば、転職や起業を考えたほうがよいこともあるでしょう。ある経営コンサルタントは、「会社を変えようと思うな。会社は経営者のものだから、経営者の価値観で会社が動くのは当然。自分の価値観で仕事をしたければ、起業するしかない」といっていました。
しかし若いビジネスパーソンの場合、この不況が続く日本で、せっかく入ることができた会社を辞めるのは大きなリスクを伴います。大切なのは、できる限り入社の時点で、自分の価値観をつかみ、それに合った会社を見極めておくことです。
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