リーダーに必要な3つの心構え:外資系エリートが実践する「すぐ成長する」仕事術
よく「リーダーに向いている資質はあるのか」という質問を受けるが、じつは、資質はそれほど関係ない。数名のチームならば、3つの簡単な心構えとやる気があればよいリーダーになれるはずだ。
集中連載「外資系エリートが実践する「すぐ成長する」仕事術」について
本連載は、川井隆史著、書籍『「外資系エリートが実践する 「すぐ成長する」仕事術』(日本実業出版社)から一部抜粋、編集しています。
一般的に、外資系企業に勤めるビジネスパーソンは「成長のスピードが速い」と言われます。それは、最短3日で将来の幹部候補生を見分けるというGEのように、社員に対する激しいプレッシャーと期待感があるからです。そのような環境の中、外資系エリートたちはつねに努力をし、日系企業に入社した同期とは比べ物にならないほどの速さで成長するのです。
外資系エリートが実践する仕事術といっても、基本的には誰もがすぐにマネできるものばかりです。中でも、特に大切な3つの心構えがあります。
1. GEで学んだ 「すぐに動け」
2. アーサー・アンダーセンで学んだ 「期限は死んでも守れ」
3. 日本コカ・コーラで学んだ 「言われたことだけやるな」
この3つの心構えを守るだけでも、あなたは「すぐ成長する」人に変われます。
私は、「リーダーに向いている資質はあるのか」という質問をよく受ける。じつは、資質はそれほど関係ない、というのが私の意見だ。私自身も、もともとリーダーというタイプではなかった。学生時代に部活のキャプテンをしていたわけでもない。それでもアーサー・アンダーセンでは3年目にはアサインメントの現場リーダーに指名されたし、コカ・コーラやGEでは各部門長の意見をまとめ上げて事業計画を策定していた。
数百名、数千名をまとめ上げる偉大なリーダーならばカリスマ性が必要かもしれないが、3〜4名のプロジェクトやチームならば、次に挙げる3つの簡単な心構えとやる気があれば、よいリーダーになれるはずだ。
1. 人の話をきちんと聞いて受け入れる
とくに頭のよい人に多いのだが、人の話を最後まで聞かず勝手に結論づけて切り捨てる人がいる。このような人にはみんな話しかけにくいと思うだろう。どんなに優秀でも1人では絶対に仕事はできない。相手の話を最後まで聞いて、できるだけ的確に理解する必要がある。
会議でも的外れな意見や感情的な反対意見を言う人が必ずいるが、きちんと最後まで聞き、受け入れることが大切だ。相手の話や意見を頭から否定し、バカな発言や論理の不整合だ、などと徹底的にやり込める必要はない。一見反対分子である人たちも、きちんと話を聞いてもらえれば、前向きに解決案を考える仲間になってくれることは決して少なくない。
2. 明るく前向きな雰囲気を築く
リーダーはチームの雰囲気をつくる。暗い雰囲気で「この案件はあまり進めたくないな」と口に出すと、仕事全体が進まない。逆に、つらい環境になったとしてもプラスに持っていければ、結果につながる。
たとえそれがリストラをしなくてはいけないプロジェクトだとしても、重苦しい雰囲気にならずに、会社を去らざるを得ない人たちに対してできる限りのことをして報いよう、リストラを通じて少しでも筋肉質の会社にしようと、明るく前向きなメッセージを発する人がリーダーであれば、プラスの結果を生みやすいのだ。
3. 迷ったときもつねに明確なゴールを掲げる
最初の段階で「われわれの現状はこれで、今目指しているのはここですよね」という確認をしてから事にあたるのが、リーダーの役割だ。例えば、「顧客からの商品申し込み受付プロセスを効率化することで、ムダな残業を減らそう」というゴールがあったとしよう。ただ、顧客側に手間がかかれば営業部門から反対が出るだろうし、商品の発送に手間取ることになれば配送部門からクレームがつくだろう。このような自分の部署以外の利害関係者の意見を取り入れつつも、目指すゴールをつねに明確に掲げ、仕事を進めることが重要である。
ぜひこれら3つの心構えを持ち続けてほしい。
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