「忙しい」とは、結構恥ずかしいセリフ:捨てる「習慣」(2/2 ページ)
「忙しい」と言う人はたいてい見栄っ張りです。「私は有能な人」とアピールすることで完全燃焼できていない自分へのイラ立ちを消したいとか、自信のなさや成果が出せない自分を隠したい人なのです。
脳の思考領域にスペースを開ける
もう1つの効果は、脳の思考領域に余裕ができる点です。忙しい中でも「忙しくない」と言い聞かせることで、「あれもこれもやらなきゃ」という心理的パニック状態から、一歩引いて冷静になることができます。
そうすると優先順位を柔軟に変更することができますし、目の前の仕事だけではなく、その先の未来の仕事や方向性も同時に考えることができるようになります。仕事に追われるのではなく、「自分で仕事をコントロールしている」というハンドリング感を持てるようになります。
私自身もいつもそうやって目の前のことに集中しつつも、同時に中長期スパンのプロジェクトに思考を巡らせるよう意識しています。
さらには、周りからは安定感のある人物だと映ります。
どう考えても忙しいのに、飄々(ひょうひょう)とした顔で「いえ、問題ありません」という余裕は、ビジネスパーソンとしての大きな器を示すことができます。
「ああ、忙しい、忙しい」とバタバタしている人よりも、表情を変えずに「あ、僕がやりますよ」という人のほうが「デキる」と感じます。仕事を頼みやすい、相談をしやすい雰囲気にもつながります。結果として、上司や部下から頼られます。
日本の首相の忙しさを知っているか
ちなみに、2014年8月時点、日本の総理大臣は79の会議のメンバーになっています(「総理、副総理または官房長官を構成員とする会議」:首相官邸ホームページより)。
加えて外遊や記者会見、海外要人との会合などもこなすので相当な忙しさです。参考までに、安倍晋三首相のある日のスケジュールを紹介します。
彼と比べると、「私自身もなんてヒマなんだろう」と感じます。自分のキャパシティを超えた仕事量だと思っても、まだまだやれる余地は大きいということが分かります。
捨てる「習慣」 その1
- 「忙しい」を捨てられない人:環境の変化に気付かない
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