己の才能を知り、使いこなす――ストレングス・ファインダーで最強の“自分”をつくる:今日から自分プロデュース!(3/3 ページ)
自分がどんな才能を持っているか――。仕事で力を発揮するためには、まずそれを知ることが重要です。今回は、自身の強みを知り、それを生かす手助けをしてくれる自己診断ツール「ストレングス・ファインダー」の使い方を見ていきます。
3.異なる特性を組み合わせて、自分の強みを広げる
自分が持つ、異なる2つ以上の特性を組み合わせて、仕事の幅を広げるのも良いでしょう。G編集長は今まで社交的な場が苦手だと思っていたらしいのですが、ストレングス・ファインダーの結果を見て、「勉強になる話が聞けそうだし(学習欲)、話を聞きたい人がたくさんいそう(収集心)と思えば、社交的な場も苦痛でない」と考え方を新たにしたそうです。
「あの人は、この特性があるからうまくいっているんだ」「今の仕事に、この特性は全然生かせないから無理だ」などと決めつけるのではなく、自分の持つ特性を組み合わせて、必要としている特性を補完できないか? と視点を変えてみましょう。そうすることで自分の新たな可能性に気付けるはずです。
大切なのは、自分の才能に“自覚的”になること
ここまで「ストレングス・ファインダー」の生かし方を紹介してきましたが、大切なのは自分の才能を自覚し、それを使いこなせるようになることなのです。私はこれを“自分遣い”と呼んでいます。自分遣いの達人になったときこそが、真に自分を理解した状態と言えるでしょう。
達人までの道のりは「認知」「意識化」「コマンド化」という3つのステップがあります。最初のステップは「認知」です。ストレングス・ファインダーや他者との会話の中で、それまで無自覚だった自分の特性を認知します。自分の特性を知識として得ていますが、どう使っていいのかよく分からない状態です。
次のステップは「意識化」です。簡単に言うと、意識をすれば特性を発揮できる状態を指します。例えば仕事をするなかで、自分の特性を意識しながら、少しだけ仕事の方法を変えてみる。これが意識化の状態です。
最後のステップは「コマンド化」です。ロールプレイイングゲームや格闘ゲームをイメージしてもらえれば分かりやすいのですが、あの敵にはあの必殺技、この状況ではこの魔法……といったように、自分の成果がより高められるような方法で、自分の特性を戦略的に使いこなせる状態です。この領域に達せば、チームの中で自分の役割を自在に変えるといった離れ業も可能になってくるでしょう。
とはいえ、自分自身を理解し使いこなすというのは一朝一夕でできるものではありません。「現在の年齢の半分程度の年数がかかる」とも言われています。私自身も「うまく特性を生かせていない」と落ち込むこともありました。しかし、たとえ落ち込んだときも、変化できるチャンスだと思って鍛え続けることが重要なのです。
さて、今回は自分の才能のうち“光の部分”にフォーカスしてきました。しかしその才能が裏目に出てしまうこともあるので注意が必要です。それはまた次回の連載や、Facebookのコミュニティページでも紹介していきますので、お楽しみに。
今回の記事を読んで、ストレングス・ファインダーについて、より詳細に知りたいと思った人は、ストレングス・ファインダーのセミナーを行っている「ストレングス・ラボ」のページを読んでみてください。
さあ、今日もあなたの舞台がはじまります!
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