コリアテレコム,イー・アクセスと提携して日本市場に本格参入韓国シェアナンバーワンのDSL事業者,コリアテレコムが動き出した。まず,イー・アクセスとの提携によって日本市場での地歩を固める。
イー・アクセスとコリアテレコム・ジャパンは7月5日,戦略的提携に合意したと発表した。コリアテレコムは,ブロードバンド先進国の韓国で6割のシェアを握る事業者。両者は,技術面およびマーケティング面で互いにノウハウを提供するほか,秋にはコンテンツ配信サービスの実験を開始する。コリアテレコムは,「将来的に,一般ユーザー向けサービスにも参入する意思がある」(同社広報)としており,ヤフーに続く台風の目になる可能性もある。 両者の合意内容は以下の4点。 ビル向けのDSLサービスを共同展開コリアテレコム・ジャパンが販売するビル向けのDSLサービスに対して,イー・アクセスがADSLおよび光ファイバーの回線を提供する。国内のDSLサービスでは,NTT局舎内にDSL機器を設置しているが,コリアテレコムのサービスでは,ビルまではイー・アクセスの回線を使い,そこからHomePNAやEthernet over ADSL(7月4日のNewsを参照)で各戸(各フロア)に割り振るという方式。韓国では専用線などを使って一般的に行われている方法で,電話局との距離に左右されにくい,ユーザーが集めやすい,コストが安いなどのメリットがある。同社では,「ユーザー拠点に近い場所にDSL機器を設置することで,より大規模で高速なネットワークの構築が可能になる。ローカルアクセスは10Mbps以上の回線速度を実現する」としている。 コリアテレコムが法人向けDSLサービスを展開コリアテレコム・ジャパンが法人向けのISPサービスを展開し,イー・アクセスが回線を提供する。イー・アクセスは,大塚商会(α-web)やキヤノン販売(Canonet)などにADSL回線をホールセールしているが(事業者データベースを参照),今回も同様の形になる見込みだ。DSLサービスにおけるノウハウの交流韓国で300万人のユーザーを抱えるコリアテレコムが蓄積した,大規模なDSL事業展開における技術面およびオペレーション面のノウハウをイー・アクセスに提供する。一方のイー・アクセスは,日本独特の市場環境やISDNとの干渉問題に関するノウハウを提供する。 共同のコンテンツ配信実験コリアテレコムが展開する日本向けのコンテンツサービスにおいて,イー・アクセスが通信技術や環境整備の面で協力。9〜10月から実験を開始し,年内の商用化を目指すという。サービスには,韓国で展開しているネットワーク対戦型ゲームや音楽・映像・教育・放送などのエンターテインメント・コンテンツが含まれる。なお,イー・アクセスは,今年5月からコンテンツ配信の公開実証実験に参加しているが(4月24日のNewsを参照),自社でコンテンツサービスを提供する意思はないという。「われわれは,ISPが提供するコンテンツ配信で,仕組みを整えるのが仕事。自分で売ることはない」(イー・アクセス)。 今回の提携で明らかになったのは,コリアテレコム・ジャパンが本気で日本市場に参入しようとしていることだ。しかし,オフィスビルはともかく,日本の集合住宅事情(7月4日の記事を参照)に韓国方式が通用する保証はなく,一般ユーザー向けでも「Yahoo! BB」が価格破壊を宣言した後だけに困難が予想される。韓国ナンバーワン事業者がどこまで踏み込んだ事業を展開するのか,しばらくは目が離せない。 関連記事 関連リンク [芹澤隆徳,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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