ペースを掴み始めた有線ブロード,契約者数倍増へ

有線ブロードネットワークスの藤本篤志取締役によると,6月末の契約者数は,5月末時点の倍となる1000件前後に達する見込みだという。

【国内記事】 2001年7月4日更新

 契約ペースの遅さを取り沙汰されてきた有線ブロードネットワークスだが,どうやらペースを掴みつつあるようだ。同社の藤本篤志取締役によると,6月末時点での契約者数は,1000件前後に達する見込みだという。5月末に発表した契約者数の507から,1カ月間で一気に倍増となる。

 藤本氏は,サービス開始前(1月16日の記事を参照)には有線放送の同軸ケーブルに光ファイバーを這わせること(一束化)によって早期にサービスを拡張できるとしていた。しかし,それを阻んだのが,電柱の利用許可申請と集合住宅における導入許可。「既に同軸ケーブルが引かれている電柱であっても,新たに光ファイバーを敷設する際には別途許可が必要だ。しかし,電柱申請の本数が多すぎて,電力会社が対応しきれなかった。また,集合住宅でオーナーや管理組合の理解を得るのに時間がかかっている」(藤本氏)という。このうち,電柱申請のほうは東電側が対応力を強化したこともあり,既に解消されつつある。また,今後のエリア拡大に備えるため,予定を前倒しして電柱申請を行っている。

 しかし,集合住宅問題のほうは,管理組合が年に1度しか会議を行わなかったり,頑固に導入を拒む一部の住人がいたりと,なかなか大変のようだ。いくつか例を挙げてみよう。いずれも編集部に近い人たちの実例だ。

○三軒茶屋の賃貸住宅に住む男性は,サービスエリアに入っていることを知った当日に申し込んだ。しかし,オーナーは,「住民の意思を聞くためにアンケートを実施する」と言ったまま,2カ月以上音沙汰がない。

○同じく三軒茶屋の賃貸住宅に住むある女性は,階下の住民が導入を申し込んだ。オーナーから同時に導入する意思を訊ねられたため,二つ返事で応じたが,やはり半月以上待たされている。

○大規模分譲住宅に住むある男性は,同じマンションに住む年輩の男性に頭を悩ませている。光ファイバーは「必要ない」の一点張り。そのうえ,CS放送の受信アンテナまで「建物の美観を損ねる」という理由で撤去を求められているからだ。

 もっとも,藤本氏によると「大阪有線時代からの経験から言うと,許可はかなり得やすくなっている」という。マスメディアが「ブロードバンド」を声高に宣伝していることもあり,マンションのオーナーが頭から否定することは少なくなった。逆に,ビジネスとしてメリットがあると判断するケースも増えている。このため,有線ブロードでは,申込み者がまだいない賃貸住宅にも事前に承諾を得ておくという方法で,営業部隊が動き出しているという。ただし,これは賃貸に限ったこと。すべての住民が権利を主張する分譲マンションでは,まだ時間がかかりそうだ。

 一方で,そうしたしがらみのない新築マンションでは,ほぼ100%導入が決まっているという。「首都圏にあるデベロッパーには,ほとんど声をかけた。半年から1年後には,多くの新築マンションで快適なインターネット接続環境を提供しているはずだ」(藤本氏)。

 こうした形の契約が増えてきたこともあり,3カ月間で500余りだった契約数は,この1カ月間で倍増した。今後は,建設中のマンションが完成する時期ということもあり,ますますペースが上がるはずだ。藤本氏は,「インフラ事業の立ち上げ時にタイムラグが生じるのは当然だと思っている。われわれは,自分のペースで事業を進めるだけ」と話している。

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[芹澤隆徳,ITmedia]

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