News 2001年1月16日 05:36 PM 更新

高速回線の利用法──有線ブロードネットワークス「GATE01」の提案

有線ブロードネットワークスのFTTH試験サービス「GATE01」。ここで提供されているコンテンツは,ブロードバンドの持つ意味を改めて考えさせるものだ。

 よく言われることだが,高速な回線を手に入れると,インターネットの利用法が変わるという。それまでならダウンロードするのを躊躇したようなサイズのファイルも気軽に入手できるし,動画なら「ダウンロードしなくても,場所さえ把握しておけば,いつでも見ることができる」といった余裕さえ生まれる。それは,ローカルディスクの中にインターネットという巨大なデータベースがあるようなもの。有線ブロードネットワークスがFTTH試験サービス「Gate01」で提供している100Mbpsの回線と専用コンテンツは,回線の速さを利用した新しいインターネットの使い方を提案してくれる。

 同社事業インフラ開発室担当の藤本篤志取締役に,有線の社内に引かれたデモンストレーション用の光ファイバー回線を使って,使用感をみせてもらった。手始めに,6.47Mバイトのアプリケーションファイルをダウンロードしてみると,わずか1秒でHDDに収まった。64KbpsのISDN回線なら,50〜60分かかるサイズだ。「雑誌の原稿やCALSのデータなど,これまでMOやCD-Rで受け渡していたようなファイルも手軽に送受信できるようになる」(藤本氏)。


「GATE01」のポータルサイト。映画や音楽をはじめ,スポーツ,エンターテイメントなど豊富なコンテンツをそろえる

オンデマンドTVドラマ?

 高速なアクセス回線は,TVやビデオの使い方まで変える可能性を持っている。GATE01のポータルサイトにあるMPEG動画ファイルは,SVGAサイズで転送レート4MbpsというS-VHS並みのクオリティ。音声は「CD品質のステレオ」(藤本氏)だ。100Mbpsの回線なら,これをストリーミングで楽しむことができる。同社はカラオケサービス「U-kara」を持つが,光ファイバーを使えば動画・音楽を含めた形でリアルタイム配信することも可能になるだろう。

 4Mbpsの映画は,「スカイパーフェクTVが5.2Mbpsだから,放送で使われているものと大差ない」(藤本氏)というように,大画面ディスプレイに表示するとなかなか迫力がある。ネット上にある動画というと,こじんまりとしたサイズで,そのくせダウンロードには時間がかかる,というイメージがあるが,そうした概念はあっさりと打破された。もちろん,デジタルハイビジョンやDVDの5.1chサラウンドには及ばないが,TV放送の代替としてなら十分に活用できそうだ。

 では,放送局や映画会社といったコンテンツホルダーが自社サイトで映画やドラマのファイルをネット経由で提供すればどうなるのか……と藤本氏は問う。ドラマを見逃すこともない,録画予約も必要ない,ローカルディスクの容量を減らす必要もない,インターネットを使ったVOD(Video On Demend)の実現だ。もちろん,実現には著作権保護技術が必須となる。実際,Gate01で見ることのできる音楽や映像は,試験運用という限られた範囲でのみ使用を許可されたものであり,記事中に画面写真を掲載することもできなかった。

「例えば,課金後1週間だけダウンロードできる仕組みなどを使えばいい。ウォーターマーク技術の進歩により,こうしたサービスは身近なものになるだろう」(藤本氏)。PCハードウェアの分野では,電子番組表と連携したハードディスクレコーディングが一時代を築いているが,高速アクセス回線は,そうした技術動向をも一変させるかもしれない。

高画質IPカメラの可能性

 さらに,帯域幅の拡大は,医療やビジネスにも変革をもたらす。先日公開された松下電器産業の「eHIIハウス」のように,一般の家庭にもCCD付きの端末が置かれ,遠隔医療やTV会議といった用途に利用できるようになるのは確実。藤本氏は,「より高画質なIPカメラがいつ投入されるかが今後の焦点になる」と指摘する。デジタルカメラやカムコーダーの高画質化が進み,高速バスも確保されている現在では,技術的な問題は少ない。インフラが広がり,市場が拡大すれば,すぐにでも製品化されるはずだ。

「(高速回線普及の)課題は,魅力的なコンテンツやIPカメラといったアプリケーションが,どのタイミングで出そろうか。そして,著作権を保護しながら流通させやすい技術の登場だ」(藤本氏)。タマゴ(インフラ)が先か,ニワトリ(コンテンツ)が先か。IT業界ではよくいわれることだが,とりあえず,インフラのほうの準備は着々と進んでいる。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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