News | 2000年12月18日 11:58 PM 更新 |
NTT東西地域会社は12月18日,光ファイバー(光加入者回線)をアクセスラインとした定額制のインターネット常時接続サービス「光・IP通信網サービス」(仮称)を発表した。試験サービスという位置付けだが,月額1万3000円で最大10Mbpsの光アクセス回線を手に入れることができる(別途初期費用が必要)。サービスの受付は12月26日より。NTT東日本は,「マスユーザーに向けたADSLに対して,光・IP通信網サービスは高速回線が必要なビジネスユーザーをターゲットにしている」と話す。
光・IP通信網サービスは,「フレッツ・ADSL」と同様,PPPoE(PPP over Ethernet)を使い,NTTの地域IP網を経由してISPに接続する。ただ,今回の試験サービスでは電話重畳のメニューが含まれていないため,既存のメタリック回線とは別に,光ファイバーを宅内に引き込む必要がある。引き込まれた光ファイバーは,宅内のONU(光回線終端装置)に接続され,ここでイーサネットに変換。ネットワークインタフェースを持つPCなら,10BASE-Tのケーブルでそのまま接続できる。
サービスは,最大10Mbpsのベストエフォート型。1本の光ファイバーを何人でシェアするかにより,3つのメニューが用意されている。サービスの内容と料金は以下の通り。
メニュー | サービス内容 | 初期工事料金 | 月額利用料金 |
基本メニュー | 最大10Mbpsを最大256ユーザーで共有 | 2万7100円 | 1万3000円 |
高スループットメニュー | 共有するユーザーを最大32に制限し,個々の帯域を多く取ったメニュー | 2万7100円 | 3万2000円 |
集合住宅向けメニュー | 1本の光ファイバーで複数の世帯に多重伝送するサービス,最大768ユーザーで共有する | 1万1900円/世帯 | 3800円/世帯 |
初期費用は,契約料の800円と工事料金(2万7100円,集合住宅は別)の計2万7900円。ただし,工事料金はあくまで最低限の金額であり,例えば宅内の各部屋に10BASE-Tの配線を行う場合などは,別途,費用がかかる。
一方,集合住宅メニューの場合は,ファイバーを共有するユーザー数を増やし,また複数の10BASE-Tポートを持つONUを使用することで工事費を抑えた。ただし,表の料金は「集合住宅の各部屋まで,既に10BASE-Tのケーブルが這わせてあるケース」(NTT)だ。配線されていないときは,NTTからHome-PNA2.0対応の機器をレンタルすることができるという。その場合は,別途8100円程度の初期費用と1200円程度の月額利用料が必要になる。
サービスの提供エリアは,東京23区の一部と大阪市の一部。NTT東日本では,霞ヶ関,青山,三田,芝,東渋谷,赤坂,白金,淀橋の各収容ビルが担当する地区(該当する市内局番はこちら),NTT西日本は,大阪中央,船場,北浜,大阪北,大阪東,大阪南の各収容ビルが担当する地区(該当する市内局番はこちら)を対象とする。なお,「状況にもよるが,基本的に試験サービス中のエリア拡大は計画していない」(NTT東日本)という。
もっとも,試験サービスの期間は6カ月と短い。ADSLの検証には丸1年を費やしたNTTだが,FTTHでは早ければ来夏にも本格サービスがスタートする見込みだ。また,来春には最大100Mbpsの試験サービスも開始する。
試験期間が短い理由について,NTTでは「企業向けのワイドLANサービスで光・IP通信網サービスと同じ“光シェアドアクセス技術”を使用しており,技術的な検証は済んでいるため」と説明している。「今回の試験サービスは,技術的な検証よりも,市場性の調査という意味合いが大きい」(NTT)。
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