WOWOW,ネット配信に参入――12プロバイダで番組を放送衛星放送大手のWOWOWが,ブロードバンド放送に乗り出す。まずは12月から有料配信実験を開始し,ユーザーのニーズを探る。
WOWOWは11月27日,同社の持つコンテンツをインターネット上で有料配信する実験サービスを開始すると発表した。期間は12月8日から2002年5月31日まで。12のISP(インターネットサービスプロバイダ)および通信事業者のサイトでコンテンツを提供する。
通信事業者のサイトにはそれぞれ「WOWOWチャンネル」が設置され,ビデオ・オン・デマンド方式でコンテンツが提供される。配信される番組のジャンルは,スポーツ・ドラマ・映画・音楽・コメディなど(下表参照)。原則として,テレビ・ラジオ放送後のものを利用する。 コンテンツには月次定額で課金されるものとPPV(ペイパービュー)方式のものがあり,サッカーの「UEFAチャンピオンズリーグ」など一部の番組では,複数の試合をパッケージ化して販売する。通信速度は500Kbps,700Kbps,1Mbpsの3種類から選択可能で,通信速度による値段の差はつけない。チャンネルの料金・コンテンツの仕様などはWOWOW側によって決められており,ISP間で差はないという。
実験で一気に進むか? ブロードバンド放送WOWOWは,今回の有料配信を,あくまで実験として位置付けている。ユーザーの嗜好調査から,CDNの構築および検証,さらには著作権保護や広告モデルまで,広く研究したい考えだ。 「たとえばサッカーを1試合まるごと放送しても見てくれるのか,あるいはダイジェスト版のほうがいいのか。料金は設定した価格でいいのか,もっと安くないとだめなのかといったことが今回の実験課題になる。著作権保護にしても“電子透かし”の技術を全通信事業者共通の方式で採用して研究に取り組む」(WOWOWの吉岡社長) さすがに「各通信事業者がすべての技術やインフラを共有することまではできない」(吉岡社長)が,通信事業者が共同で経験を重ねることは,業界全体のメリットにつながるだろう。 実験はほかのコンテンツプロバイダにとっても1つのモデルケースになるに違いない。複数の通信事業者に仕様を決めたコンテンツを「専門チャンネル」として用意させ,リべニューシェア方式で課金を任せる。コンテンツの発信元を明確にし,かつプロバイダ側の利益も確保する。実運用レベルでこうしたビジネスモデルを構築した点は注目に値する。 有料配信が成功し,業界のお手本になり得るのか? WOWOWでは,現在もほかの通信事業者と継続して交渉を進めているという。 関連記事 関連リンク [杉浦正武,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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