「モーション広告」に揺れ動くgoogooは12月3日からトップページ上で,工夫をこらした“めくれる広告”を展開する。ブロードバンドユーザーを意識した取り組みというが,その意気込みはどのようなものだろうか?
NTT-Xとダブルクリックは12月3日,ポータルサイト「goo」内でFlashやDHTMLを利用した動く広告“モーション広告”(米国ではフローティングアドとも呼ばれる)を展開すると発表した。配信はダブルクリックが担当する。第1弾として12月3日から9日まで,日本マクドナルドの広告が「トップページ」と「検索結果ページ」に表示される。
右端に見える青いバナー広告。いかにもめくれそうにヒラヒラしているが……
ドラッグして引っ張るとこのとおり。中にはさまざまな宣伝用の文句が書いてあり,めくる度に変化する モーション広告はページのスペースを自由に使い,ダイナミックな動きを表現することが可能で,インパクトのある広告を制作できるのが特徴。ブロードバンドの急速な普及を受けて,現在クライアントの間ではこうした動画広告・リッチメディア広告に注目が集まっているという。実際,今回の広告展開についてNTT-X側では「日本マクドナルドが意欲を示したために実現した」と語っており,クライアント側の意欲のほどがうかがえる。
サイトは確かに重くなるが……従来NTT-Xはこうしたモーション広告に対して,ほかのISPよりも慎重な姿勢をとっていた。理由は簡単で,“サイトが重くなってしまう”のだという。 「モーション広告だけで,20Kバイトの容量をとってしまう。これにより,Pentium IIクラスのCPUを使用する56Kbpsのナローバンドユーザーの場合,ページを表示するのに従来より5秒余計にかかる」(NTT-X) 一般に「8秒ルール」といわれるように(11月2日の記事参照),ユーザーはレスポンスの早いサイトを好む。いかにページを早く表示させるかに腐心するサイト管理者にとって,5秒の差は大きいだろう。実際,ナローバンドユーザーにとっては今回の広告が使い勝手に悪影響をもたらすことは,想像に難くない。 それでもNTT-Xがモーション広告展開に踏み切ったというのは,それほど広告業界全体から期待されていることの表れでもある。「8月に調査したところ,gooユーザーの3分の1がADSL以上の回線を利用するブロードバンドユーザーであることが分かった。周囲からの要望もあり,広告業界全体を盛り上げていく意味からも,モーション広告を開始することにした」(NTT-X)。同社は現在,トップページの「お知らせ」枠で説明を行うなど,ユーザーに配慮しつつ広告展開を行っている。
将来は「広告商品化」もこれを契機に一気にgooにモーション広告が増えるのだろうか? しかし,NTT-Xはこれを否定する。同社は現在,モーション広告として日本マクドナルドの広告しか用意していない。今後の予定についても「広告は4半期ごとに販売しているが,1〜3月期の広告にモーション広告は入っていない」と語る。 今後,ユーザーの感想や市場のニーズを見て,いけると判断した場合は,4月以降の広告商品化も考えるとのこと。もちろん,技術上はすぐにでも可能なため,クライアントがぜひにと要望すれば応じる意志はあるという。 モーション広告に“動き出した”NTT-X。しかしこちらはまだまだ,「ダイナミックな動き」とはいかないようだ。
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