IPv6は来年春までに普及する――NTTコミュニケーションズ昨年から徐々に試験サービスも始まっている次世代インターネットプロトコル,IPv6。NTTコミュニケーションズは同技術の動向について,NET&COMで話した。
何年も前から「2-3年のうちに普及する」と言われながら,結局,普及してこなかった「IPv6」。だが,NTTコミュニケーションズ・ビジネスユーザ事業戦略部長の飯塚久夫取締役によれば,いよいよその普及の時が近いという。
NTTコミュニケーションズの飯塚取締役 ブロードバンドソリューション関連の展示会「NET&COM」で講演を行った飯塚氏が,まずポイントに挙げたのは,(IPv6普及の前提になる)「パーツがそろった」ことだ。 「Windows XPがOSとしてIPv6をサポートしているほか,OCNを含め,各企業がIPv6の実験サービスを展開している」(12月10日の記事参照)。 また,対応端末がどんどん増えていることも指摘,「モバイルIPとデジタル放送との関わりによって,2003年の春には普及するだろう」と,強気の見通しを示した。 同氏の予想する普及ロードマップは次のようなもの。まず,2002年内に企業ユーザーに向けた普及が進み,一部のホームユーザーにも少しずつ浸透する。そして,2003年にはホームユーザーへの本格普及が始まる。2003年末には,3Gの携帯電話もIPv6に対応するという。
今年中に「v4−v6プロトコル変換サービス」開始同氏はまた,IPv4をIPv6に“プロトコル変換する”サービスを今年中に開始すると明言した。従来,インターネットでIPv6対応のサービスを利用するには,IPv6のパケットが既存のIPv4ネットワーク内を通過(トンネリング)できるよう,IPv6パケットをIPv4のヘッダで包む(=パケットをカプセル化する)手法が一般的だった。しかしNTTコミュニケーションズではこれをもう一歩進め,IPv4とIPv6のプロトコル自体を変換するようなサービスを提供するという。 「これにより端末でv4とv6を共存して使えるようになる。今後もIPv6には,積極的に取り組んでいきたい」(同)。
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「IPv6ではQoSに注目」同氏がIPv6について強調したのは,QoSが可能になる点。巷間よくいわれる「アドレス枯渇に対応できる技術」としてとらえるより,同氏は品質保証が可能になる点に注目してほしいようだ。 同氏はIPv4パケットのヘッダには,品質を保証するものとして8ビットの「サービスタイプ」(ToS)しか用意されていないことに触れる。「これではなかなか,品質保証のために使いこなせない」(同)。 IPv6になれば,パケットのヘッダには帯域幅の制御を可能にする「トラフィッククラス」や,パケットがどのリアルタイムな通信に属しているかを示す「フローラベル」が用意され,よりQoSがしやすくなる。 飯塚氏は「ルータを使うときは,どうしても効率が落ちるため,ルーティングだけにしたがるものだが……」と断った上で,「発信側がルータなどでパケットに品質保証をかけて,データを相手に届けられるのは大きい」と,“通信屋”ならではの視点を見せていた。
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