スカイリー・ネット,“たまごっち”状のP2P端末を開発Bluetoothを利用して無料通信を行う,小型P2P端末が開発されている。トレーディングゲームや,クーポン交換サービスなどへの利用を見込むという。
スカイリー・ネットワークスが,独自仕様のP2Pソフト「DECENTRA」をインストールした小型端末を開発している。クレスコがハード部分を開発しており,今夏商用化予定。価格は未定。 同社は,ワイヤレスP2Pを可能にするネットワーク技術の研究成果を基盤とする,次世代P2P製品のサプライヤ。4月11日の「P2P Conference in JAPAN 2002」で,製品の内容を説明するという。
DECENTRAとは,周囲の対応デバイス・ホットスポットを中継局としてデータをリレーさせるソフトウェア。これにより,専用の基地局を設置せずとも,通信距離を広げることができる(別記事参照)。現在は通信手段としてBluetoothを利用しており,IEEE802.11b対応ソフトもベータテスト中。最大5〜7ホップ先の端末と通信可能で,802.11bの場合,通信半径は半径1キロ程度になるという。 当初は携帯電話との連動を想定していたため,上部にコネクタが付いているが,「現在は端末単体での利用も考えている」(梅田英和社長)。現時点で公開されているスペックは以下のとおり。
ゲームや,クーポンサービスに利用P2P端末は写真で分かるとおり,操作キーも少なく,複雑な用途には向かない。梅田社長は,「今考えているのは,ゲームとクーポンサービス」と話す。 「ゲームの場合,ユーザー同士でデータを交換するものが考えられる」(同)。次々とトレーディングしていくことで,収集データを“コンプリート”させるようなゲームを想定しているようだ。 一方,クーポンサービスはデパートの客などが対象となる。店内のホットスポットに近づくと特定のクーポン・データが端末に蓄積され,それをユーザー同士で交換するなどの利用が考えられるという。 もっとも,現時点では,用途が明確に決まっているわけではないようす。梅田氏が「当初は,携帯電話のキャリアに向けた1つの提案という位置付けだった」と話すとおり,今後の工夫しだいで利用法が変わる製品といえそうだ。 スカイリー側としては,一定台数を販売した後,事業者向けのサービスに移行したい考え。 「プッシュ型情報配信システム『DECENTRA Server』と連動させて,ホットスポットから広告・情報を有料配信したい」(梅田氏)。各地にBluetooth対応のアクセスポイントを設置することで,コンテンツ配信のインフラを形成したいと話した。
価格は「たまごっち」に似ていない……?課題は,端末価格が高価になってしまうこと。「Bluetoothモジュールだけでも,2000円弱する。これに液晶だなんだと積んでいくと,けっこうな値段になる」(梅田氏)。具体的な端末価格は明かされなかったが,なかなか“たまごっち並みの価格”とはいかないようだ。 また,利用時に対応端末が近くにないと,せっかくの「端末同士でデータ中継」が行えないことも悩ましいところ。このため,初期段階でいかに一定台数を普及させるか,戦略を練る必要がある。 梅田社長はこの点について「例えば,イベント会場など,特定の場所で配布してしまってもいい」と言うが,一気に普及を図ればその分,先行投資も嵩む。「心情としては,あまりリスクをとらず,小出しに販売して様子を見たいのも事実。初期に大量販売する可能性は(今のところ)5割」と,普及を急ぐか,リスクを軽減させるかのジレンマには悩まされている様子だった。
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