ネットは広告媒体としてテレビを超えた?

インターネット広告が視聴者にどんな印象をもたれているか,Web広告研究会が独自の調査結果を発表した。

【国内記事】 2002年4月23日更新

 Web広告研究会は4月23日,インターネットの広告に関する調査結果を発表した。これは1月13日から2月28日にかけて,ネット・テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・屋外媒体で展開される広告に関して,視聴者の意識を探ったもの。ネットが有力な広告媒体に成長したことを示す結果が出たという。

 調査はオンライン/オフラインの2種類が行われ,オンラインではヤフーリサーチの登録モニター1124名を対象に,またオフラインでは郵送により事前に了承を得た252名(3割がネット未経験)を対象にデータを集めた。なお,被験者群は,性別・年齢に偏りがないよう調整した。

 被験者には各媒体・およびその広告に関して,「好きである」「役立つ」「なくてはならない」など25項目にわたり5段階の主観評価を求めた。その上で,最高点が100点,最低点が−100点になるよう数値を変換した。主な結果は以下のとおり。

◆総合得点(25項目を集計した平均点)

オンラインオフライン
ネット31.296.53
テレビ29.6226.10
新聞17.1312.29
雑誌12.892.47
ラジオ-1.47-5.31
屋外媒体-24.04-27.64

 総合得点を見ると,オンライン調査でネットがテレビを僅差で抑え,堂々のトップとなった。一方オフラインでは,テレビが2位の新聞をひきはなしてトップの得点。被験者群の違いにより,異なった結果となった。

 また雑誌の得点も,オンラインとオフラインで目立った違いが出ている。

◆得点から見た各媒体・媒体広告の評価

媒体評価
ネットユーザーの接触時間が長く,速報性も高い。ユーザーに参加・応募させる力が強い一方,客観性や信頼性は低い。
テレビユーザーの接触時間が長く,速報性も高い。視聴者にもっと知りたいと思わせ,購入を意図させる力がある。
新聞情報が正確で,客観性や信頼性が高い。ユーザーの生活の中で,より習慣化されている。
雑誌感動的・魅力的な内容が多く,エンターテイメントの要素が強い。速報性に欠けるほか,ユーザーの接触時間が少ないという弱みがある。
ラジオ速報性が高く,親しみやすい。エンターテイメントの要素が強い。
屋外媒体あらゆる面でほかの媒体より低い評価。

◆年代別・性別で見るインターネット広告の総合得点

年齢男性女性
50〜26.6526.26
35〜4929.5331.81
20〜3429.4133.06
10〜1947.0634.89

 男女とも,10代のユーザーがネット媒体を評価している。得点の内訳を見ると,男性ほど接触時間が長く,女性ほど内容に惹かれているという結果になるという。

ネットの高い評価に期待

 Web広告研究会ではこの結果をもとに,各媒体の特性を活かした広告のメディアミックス戦略を練る。「個々の媒体では広告が目に届かない層に対し,連動企画によってリーチできるようにする」という。

 研究会が特に注目するのは,オンライン調査でネット媒体・広告への評価が高かった点。「オンライン調査の被験者が全体を代表できるかどうかは,検討が必要」としたが,若年齢層に高い評価を得ていることから,今後世代のシフトによって,メディアとしてさらに力を持つと予想した。

 Web広告研究会はインターネット上の広告展開の課題について,広告主と関連企業・団体が共通の場で研究,情報交流をはかる組織。定期的にフォーラム,セミナーを開催するなどの活動を行っている。

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▼ Web広告研究会

[杉浦正武,ITmedia]

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