ニュース 2002年6月25日 02:07 AM 更新

W杯は「アバター」で応援? 韓国ネット事情

現在、韓国でブレイク中のオンラインコンテンツ「アバター」。2002年の市場規模は、80億円と予想され、社会現象となっているようだ

 韓国で、今最も人気のあるオンラインコンテンツは“アバター”(オンライン上で自分の分身となるキャラクター)を使ったコミュニティサービスだ。2001年の市場規模は200億ウォン(=約20億円)で、2002年には800億ウォンとも、それ以上になるとも言われている。

 6月25日にiPark Tokyoの主催により行われた「KOREA TECHセミナー」では、非営利団体JIBC(Japan Internet Business Community)の会長、趙章恩(チョウチャンウン)氏が、韓国のアバターサービスの現状を紹介した。



(上)サッカー韓国代表のサポーターに扮したアバター (下)JIBC会長の趙章恩さん。高校まで日本にいたとあって、日本語も堪能だ。「正直、今日は(ワールドカップの)韓国戦が気になって、アバターどころではないのですが(笑)」

 アバターとは、もと古代サンスクリット語で「地上に降りてきた神の化身」を意味する。ユーザーはまず、特定のサイト上で自分の“顔”となるアバターを作成する。これを着せ替えすることで、そのサイトで思い思いの自分を表現できるわけだ。

 韓国ではすでに多くのポータルサイトがアバターサービスを展開しており、たとえば掲示板で書き込みを行うとアバターが表示されたり、オンラインゲームの対戦相手がアバターで表示されたりする。3D空間上でアバターを操作するチャットサイトなどもある。当初は小学生を中心に広まり、今では10代から30代後半まで、幅広い年齢層に利用されているという。

 ユーザーはサイト上で販売される、コスチュームやアイテムなどを代金を払って購入する。「たとえば、お姫様のようなドレスや、自分が登場すると音楽が鳴り、スポットライトが当たる、といったマジックアイテムが、数十円〜数百円で販売されている」(趙氏)。グッズのデザインを手がける「アバタデザイナー」は、いまや「プロゲーマー」を抜いて人気の職業第一位だという。


アバター用コスチューム・アイテム一覧。なかには1000円するような“高額商品”も

 課金決済には、電話をかけることでサービス会社に一定金額が引き落とされる有料電話「700ARS」や、携帯電話の料金に上乗せするなどの方法などがある。気軽さが災いして、ついつい購入しすぎて「ショッピング中毒」に陥るユーザーも出るほど。

 「アバターサービスを提供する企業はしばしば、ショッピング中毒になったユーザー向けに、現実に治療用の施設を建設する。しかし口の悪いユーザーには『自分から中毒にさせておいて、その治療でまた金稼ぎか』と言われている」(趙氏)。


アバターの初期状態を、半裸や下着姿に設定するサイトも少なくない。「ネットで常に裸のアバターが登場してしまい、恥ずかしい思いをする。ユーザーは服を買わざるをえない」(趙氏)

「1日1000万円」!驚異の収入

 2000年11月から、韓国初のアバター有料サービスを開始したサイト「SayClub」の事業が、どう推移したか見てみよう。

 同サイトはもともとオープンチャットサイトを運営しており、2000年6月から無料アバターサービスを開始していた。その後、有料化には反対する声も多かったが、毎月3000万(=約300万円)ウォンの売上を予想し、有料サービス開始に踏み切った。

 とたんに、初日で1000万ウォンの売上があった。コスチュームやペットなど、関連グッズの販売に力を入れたことがあたり、2001年3月からは毎月10億ウォンの収入を実現。「アバター衣装研究同好会」も登場し、ユーザーから“こんなグッズをつくってほしい”と要望が出るようなコミュニティに成長した。6月14日の時点で会員は1500万人を数え、うち有料グッズ購入率も27%にのぼる。

 特にワールドカップ開催期間は、驚異的な収入を見せている。サッカー関連の衣装や「紙ふぶき」「国旗」といったグッズが貢献して、6月の売上は1日1000万円。しかも、アバターの製作原価は売上の2%に満たないという。この結果をうけて、LG投資証券はサイトの価値を100億円と評価した。


SayClub以外にも、さまざまなサイトが工夫を凝らしたサービスを提供している。写真は、アバターをあしらった切手を作成できるサービス

国民性が違う?

 趙氏はこうしたアバターサービスについて、「基本となるエンジンさえあれば技術的には難しくない」と話す。実際、国内でもすでに大手ポータルサイトなどでアバターサービスが提供されている。

 しかし、趙氏は日本で展開されているアバターサービスは、韓国のものとは違う印象をうけるという。「日本のアバターは、時にペンギンだったり、人間の形をしていなかったりする。アバターは自分の理想であり、分身であるはずなのだが……」。

 今後の事業性については、課題もいくつかあるようだ。趙氏は、前出の有料電話「700ARS」のような少額決済インフラを整備する必要性を指摘する。

 「韓国人は、基本的に負けずきらいで目立ちたがり。オンライン上でも、自分アピールのために人と違ったアバターを用意しようとする。一方、日本人は掲示板などを見ても『名無しさん』が多い」(同)。事業を行う際に、国民性の違いもハードルになるのではとした。

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▼ iPark Tokyo

[杉浦正武, ITmedia]

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