ニュース 2002年11月28日 11:55 PM 更新

ブロードバンドユーザーの性癖はマニアック?

ブロードバンドユーザーは、独特のアダルトコンテンツ視聴傾向を持っている? 業者へのヒアリングから、意外なマーケティングデータが浮かび上がってきた

 ブロードバンドユーザーの性癖は、おそらくマニアックだ――。筆者に対して最初にそんな話題を投げかけたのは、オブテイン・フューチャーのコンテンツ担当者だった。

 オブテイン・フューチャーは、アダルトビデオの企画、制作、販売を手がける企業。衛星放送や携帯電話に向けたコンテンツ配信を行うほか、今年から香港のケーブルTVにも作品を供給するなど、新しい分野への事業展開に積極的だ。当然ながらブロードバンド業界にも参入しており、年末以降、大手通信事業者と提携して映像配信を行う。

「サッカーしようぜ」も業界次第

 同社担当者は、通信業界で事業展開するにあたり、ユーザーの嗜好を見誤らないようにしなくてはならないと話す。

 「おそらく、ブロードバンドではリアルの店舗で取り扱われているパッケージ作品とは、異なる種類のものがヒットするだろう。レンタルビデオと同じ品揃えでサービスを展開するようでは、失敗する」。

 同社がこう話すのには、それなりの理由がある。実は同社が衛星放送の業界に進出した際に、リアルの店舗と視聴者の嗜好が全く異なることを痛感しているのだ。

 「端的な例が、今年の夏頃に出した某タイトル。レンタルでは貸し出しが少なく、赤字となってしまった。仕方がないので衛星で有料放送したところ、空前の大ヒットとなった」。……そのタイトルは、「サッカーしようぜ!」というもの。サッカーのユニフォームを着た女性が多数登場するという、企画ものだった。

 当時、一部のサッカーファンは日韓共催のワールドカップに熱狂していた。そして、衛星放送契約者にこれらのサッカー好きの男性客が集中していたという事情がある。メインとなる視聴者の興味の対象と、作品の特徴がうまく作用して、ヒットにつながったというわけだ。

 ほかにも衛星放送では、作品に登場する女優の年齢が高い作品が、意外な人気を博しているというデータもある。一般に、コンテンツを露出させる媒体が変われば、それを視聴するユーザー層も変わるもの。同担当者はブロードバンドユーザーの属性を考慮した上で、おそらく独特の傾向を持っているだろうと予測したわけだ。

 それでは、これが事実と符合するのか確かめてみよう。

「X CITY」の場合

 まず話を聞いた先は、ブロードバンドアダルトサイト「X CITY」(記事参照)。同サイトは月額定額制のサービスのほかに、8月中旬から作品のPPV(ペイ・パー・ビュー)配信も開始しており、1本300円、最大1Mbpsでの有料配信を行っている。このPPVチャンネルのシステム面を担当する、ネットキャスティングに話を聞いた。

 ネットキャスティングの担当者は、ブロードバンドユーザーの視聴動向として「やはり、一番人気は有名女優の単体作品」と話す。「ネットではリアルと競合しないよう、パッケージ出荷から一定の期間をおいて、新作を配信するようにしている。しかし、期間を置いた“新作”がWeb上にアップされると、その作品に人気が集まる」。こう聞くと、リアルでもオンラインでも、人気ジャンルは変わらないように聞こえる。

 「ただし」と担当者は言葉をつなぐ。

 「オンラインでは、いわゆるマニアックな企画ものに固定ファンがついている」。X CITYではトップページからリンクを貼って、さまざまなジャンルに特化したページにユーザーを誘導しているが、各サイトのカラーに応じたユーザーを獲得しているという。

 また、ユーザーの年齢層にも配慮している。

 「サイトを訪れるユーザーのうち、メインとなるのは30−40代。やはり、この年代がビデオを見ていた頃の作品を揃える必要性を感じている」(同)。

 X CITYでは販売促進のために随時、特集を組んでいるが、その1つが「80−90年代、黄金期超豪華AV復活!」というものだった。これは小林ひとみ、桜樹ルイ、小室友里といった往年の名女優作品を紹介するという企画。オンラインならではのマーケティング活動、といえるだろう。

「DMM」の場合

 次に話を聞いたのが、先日リニューアルを発表した「DMM」(記事参照)だ。DMMの担当者も、ブロードバンドでは特定のジャンルに人気が集中する傾向があると認める。

 「特に妙な人気があるのが、アニメ。おそらく、オンラインでは“インナー”に入っている(いわゆるオタクの)ユーザーが多いためだろう」。担当者によれば、この手の作品はレンタル店舗ではあまり「回らない」(パッケージの貸し出し回転率が悪い)ものだという。

 また、ユーザーから「20分ぐらいのコンテンツを編集してくれないか」という風変わりな要望もあったと紹介する。

 「なぜかというと、オンラインユーザーには既婚者も多いから。妻が風呂に入っている間に、なんとか1本視聴し切れるものを、というわけです」(笑)。

 DMMでの視聴者購入ランキングでは、X CITYの場合よりも、マニアック路線が上位に位置する傾向が強い。リアルで人気の単体女優ものは、10位前後からようやく顔を出し始める程度。トップに君臨するのは、先ほども話題になった「小林ひとみ」だという。「それも、往年の作品ではなく、復帰後に撮影した今の作品。『80年代の人気女優』という要素に、『熟女』という要素がプラスされている」。

 こう聞いていると、ブロードバンドアダルトコンテンツには2つの特徴があるといえる。

 1つは、一見してニッチに見える市場を掘り起こし、ユーザーニーズに応えていること。また、課金インフラがクレジットカード決済中心という事情もあるが、30代以降の視聴ユーザーが多いということ。こうした要因が重なって、ブロードバンドユーザーの視聴動向はリアルとは異なる、と結論付けることができそうだ。



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[新崎幸夫, ITmedia]

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