リビング+:特集 2003/01/30 23:59:00 更新

特集:で、ブロードバンドで何ができるの?(4)
仲間も見つかる? ネット・コミュニケーション

ブロードバンドなら、気の合う仲間も見つかる? 広帯域、常時接続を生かした、ネット・コミュニケーション・サービスに注目してみよう

 インターネットとは、そもそも寂しがりやのためのメディアである。

 ……と、のっけからよく分からないことを言ってしまったが、要はインターネットが、気の合う仲間を見つけるのに適したメディアだということ。世間で、あまり耳にしないような一風変わった趣味・嗜好の持ち主でも、世界中に広がるインターネット網を利用すれば、なにかしら共通の趣味を持つ人間を、見つけられるはず。それでなくとも、ネットは出会いのチャンスを広げてくれるものだ。

 そのインターネットが、ブロードバンドの波によって、さらに有用なコミュニケーション・ツールに進化を遂げている。通信が高速化され、常時接続が当たり前になるに伴い、これまでにないような緊密、かつ深いコミュニケーションを実現しつつあるのだ。今回の特集では、そうした“ブロードバンドならでは”のコミュニケーション・サービスに注目してみよう。

テレビ電話でトークを楽しめ

 ブロードバンドといってまず思いつくのが、動画。そして、動画を用いたコミュニケーションといえば、これはもう「IPテレビ電話」しかない。

 実際にサービスを楽しむなら、音声を伝えるためのヘッドセット、および自分の顔(に限定はしないが……)を映すカメラを、あらかじめ用意する必要がある。といっても、それほど高価な機器が必要なわけではなく、たとえばカメラなら、ネットに接続したPCにUSB接続する小型のものがあればよい。この種の製品は、都内の家電量販店で3980円〜9800円前後で手に入れることができるようだ。

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 クリエイティブが昨年10月より発売している「Creative WebCam Pro eX」は、PCの側面に固定するタイプ

 準備が整ったら、早速「出会いの場」に出発! ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)や、そのほかの通信事業者がサービスを提供している。以下に、そのうちのいくつか挙げよう。

Eyeballパティオ
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 「Eyeballパティオ」は、@nifty会員向けのテレビ電話サービス。利用料は、1ID当たり月額500円となる。従来、最大同時会話人数が3人に制限されていたが、昨年11月に人数制限が撤廃され、何人でも同時に会話できるようになった。

 動画チャットは基本的に知り合い同士で行うが、新設された「チャットルーム」を訪れれば、見知らぬユーザーともテキストチャットを楽しめる。ここで、気になった人の名前をクリックすると、テレビ電話でも会話できるという仕組み。

 独自技術「Any-Firewall Technology」(記事参照)を採用しており、ファイヤウォール内、ルータ経由のユーザーも一部利用可能になっている。利用環境の詳細は、こちらを参照。

BROBAチャット
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 NTT-BBはBROBA会員向けに、動画チャットサービス「BROBAチャット」を提供している。ユーザー同士の交流の場として、2人用、5人用、10人用、30人用の「ルーム」をそれぞれ選択することが可能。料金は、1回の入室につき30分までなら基本料金に含まれるが、それを超える場合は2円/分の従量課金となる。

 同社の提供するコンテンツ配信サービスと組み合わせて、仲間同士で映像を見ながら感想を述べ合う、といった利用も可能。現在BROBAガイド上で、紹介映像を確認することができる。

Vchat
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 「VchatPersonal」は、ジャパンメディアシステムが提供する動画チャットサービス。OCN、BIGLOBE、Panasonic hi-hoなど複数のISPにサポートされている。

 初期費用として、ソフトウェア代金8900円が必要だが、BIGLOBEサービス会員なら4800円といったように、割引価格が設定されている。ほかに、月額利用料500円が必要。

 1つのチャットルームで、2〜10人で同時に会話が可能で、入室メンバーを制限することも可能。チャットルームにいるメンバー同士で書き込み可能な画面を共有できるほか、自分のデスクトップ上にある画像ファイルなどを相手に見せることもできる(マジックビュー機能)。グローバルの固定IPを必要とせず、ルータやCATVユーザーでも利用できるという。

「仮面舞踏会」? アバタ―コミュニケーション

 ブロードバンド・コミュニケーションを楽しみたいが、実際に自分の顔が見えてしまう動画チャットはどうも……と、逡巡するユーザーもいるだろう。そんな恥ずかしがりやのあなたには、ぜひ「アバターコミュニケーション」をおすすめしたい。

 アバターとは、もと古代サンスクリット語で「地上に降りてきた神の化身」を意味する。……と、説明しただけでは何が何やら分からないが、要は、「ネット上で自分の分身となるキャラクター」を指す。自分の化身=アバターを操作してチャットを楽しむことで、いわば仮面をかぶった状態で見知らぬユーザーとトークが楽しめるわけだ。

 IPテレビ電話サービスほどには、ネットワークの帯域を必要としないが、少なくとも常時接続環境が必要であることは確か。ブロードバンドの普及に伴い、すでに多くの事業者がサービスを提供開始している。

Cafesta
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 「Cafesta」は、TTNetが提供するコミュニケーションポータル。利用料金は無料だが、アバターの衣装などを有料で販売しており、これをサイト内で通用する電子マネー「カフェスタキャッシュ」(1ポイント1円)で購入する。

 チャットルームのほかに、メールサービス、特定のユーザー同士で掲示板などを共有できるサービス、自己紹介を兼ねてホームページを開設できるサービスなどが用意されている。

 動画チャットも用意されているが、自分の映像をアバターで代用させることも可能。カラオケボックスを背景に、アバター同士を合コンさせるなど、仮想現実の世界でのコミュニケーションが楽しめる。

パラプラ
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 NTTコミュニケーションズは、3Dアバターサービス「パラプラ」を提供している。OCN会員は当面無料だが、非会員は月額300円が必要。アバターが「笑う」「泣く」など表情を変化させられるほか、「キスする」「こける」「つっこむ」など、10種類の動作を行える。

 また、アバターをデスクトップに常駐させると、メールの着信やウイルス情報を知らせるエージェントとして機能する。ウイルス情報は、トレンドマイクロが配信しているもので、実際にウイルスチェック、駆除を行うことも可能だという。

PAW^2
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 「PAW^2」は、So-netが提供するアバターコミュニケーションサイト。サービスは無料だが、所有するアイテムの“保管料”が別途必要で、So-net会員なら月額300円。ほかに、レアアイテムの有料販売なども行っている。

 アバタ―は「はい」「いいえ」「こんにちは」など6種類の動作を行えるほか、1人に一匹のペットを飼うことが可能。ペットとは“しりとり”などのゲームを楽しむことが可能で、名前を呼んであげたり、なでてあげたりすることで反応を楽しむことができる。

 PAW^2では、季節ごとに「種まきイベント」などのイベントが用意されている。ここで優秀な得点を上げると入賞賞品がもらえるという。


 ところで、ブロードバンド上で提供するサービスとしては、当初多くの事業者が、“エンターテインメント系の映像配信”を考えていた。しかし、そうしたビジネスを展開して成功したのは、現時点ではアダルトコンテンツ・プロバイダなど、ごくわずか。そんなわけで、コンテンツ配信に見切りをつけて、コミュニケーション・サービスに軸足を移す事業者も増えてきている(記事参照)。

 ブロードバンド先進国であるお隣韓国では、こうしたコミュニケーション・サービスでもうかっている事例も、徐々に現れ始めた(記事参照)。日本でも、最初にブレイクするブロードバンドサービスは、コミュニケーション分野から出るような気がしてならない。

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[杉浦正武,ITmedia]



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