議論の続く「固定発、携帯着」問題。総務省が開催する研究会では、携帯通話のマイライン化を含めた、さまざまな案が検討されているようだ
“固定電話発信、携帯電話着信”で、議論が続いている。先月末に総務省が開催した「料金設定の在り方に関する研究会」では、NTTドコモ、NTT東西地域会社、平成電電などの事業者が意見を提出。将来的に、携帯通話をマイライン化することも提案されたという。 マイラインとは、あらかじめ特定の事業者が提供する通話サービスに利用登録(マイライン登録)を行うことで、通話時にその事業者の“識別番号”をダイヤルせずとも、その事業者のサービスに接続されるシステム。登録料として、800円が必要となる。 現状では「市内通話」「同一県内の市外通話」「県外への通話」「国際通話」の4区分で、それぞれ事業者を選択、登録することが可能。ここに新しく「携帯電話への通話」という区分を加えてはどうか、というわけだ。 まずは識別番号導入からもちろん、これは今日明日に実現する話ではない。現状では、マイラインの前段階にあたる「識別番号を手入力しての通話サービス」も実現していない。 平成電電やフュージョン・コミュニケーションズのように、相手番号の前に事業者番号を入力することで比較的低価格で通話できるサービス(記事参照)を提供する事業者もあるが、これは海外の事業者を経由する、という変則的なもの。厳密な意味で“識別番号制”による通話とはいえない。 識別番号導入にあたっては、各通信事業者が携帯キャリアとの合意の上で、ネットワークを直接相互接続することが前提。また、電話番号といえば固定電話の“10桁番号”を想定している交換機を、「090」から始まる“11桁番号”に対応させることも必要となる。 もっとも、事業者によっては、既に交換機の11桁対応をすませているところもあるようす。総務省では、料金設定の在り方に関する研究会のスケジュールについて「今年5月をめどに、取りまとめを行う予定」と明記しており、この時点で事業者間の話し合いも決着がつく見込みだ。なお、次回の会合は2月14日に開催される予定。 事業者識別番号の導入から、ゆくゆくはマイラインへ……。業界の競争が増し、通話料の選択肢が広がるようなら、ユーザーの利益にもつながるだろう。 これまでの経緯
[杉浦正武,ITmedia] ![]() モバイルショップ
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