リビング+:連載 2003/04/15 19:37:00 更新

連載:enjoy@broadband.home.net
高機能ながらシンプルな使い勝手、「DIGA DMR-E90H」を試す

松下電器が、満を持して投入したDVD&HDDレコーダー「DIGAシリーズ」。今回、シリーズ最上位モデルの「DMR-E90H」とブロードバンドレシーバを試用する機会を得た。いわゆる“マニア向け”の機能はないが、一般ユーザーがシンプル操作で便利な機能を使える製品となっている

 昨年末以降、ハードディスクドライブ内蔵DVDビデオレコーダが大人気。中でも東芝と松下電器は、もっとも人気の高いメーカーだった。しかしながら、話題性という意味では、東芝「RDシリーズ」に一歩譲る印象があったことは否めない。

 その松下電器が、満を持して投入したのが話題の「DIGAシリーズ」だ。シリーズ全5機種を同時発表し、人気のボブ・サップをイメージキャラクターに仕立てて、大々的なコマーシャル戦略を推し進めているのだから、松下電器の気合いの入り方も想像できようというものだ。そしてもう1つ、DIGAシリーズで注目されるのが、2月のシリーズ発表時に参考展示された“ブロードバンドレシーバ”「DY-NET2」の存在である。

 今回、シリーズ最上位モデルの「DMR-E90H」と、発売直前のブロードバンドレシーバを試用する機会を得た。すべての機能について詳しく紹介することはできないが、ここではブロードバンドレシーバの概要とHDDレコーダとしての使い勝手および画質、DVDビデオの作成機能にフォーカスして話を進めることにしたい。

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120GバイトHDDとDVD-R/RAMドライブ内蔵のハイエンド機「DMR-E90H」。価格はオープン(実売予想価格は15万円前後)

携帯電話からの予約・予約変更が可能なブロードバンドレシーバ

 DIGAシリーズの発表と共にその姿が明らかになったブロードバンドレシーバだが、名前が“ブロードバンド”だけに、ブロードバンドネットワークサービスとの接続や、PCとの連携を想像する人が多いのではないだろうか。

 しかし、DIGAシリーズ用のブロードバンドレシーバは、そうした派手な機能を実現するためのものではない。本体にはインターネットと接続するためのイーサネット、および対応機器と通信するためのミニフォンジャック、それにデジタルメモリレコーダ用カメラを取り付けるための拡張通信端子を備えるだけとシンプル。拡張機器との通信ケーブルは、そのまま本体の外部コントロール端子へと繋がれる。DMR-HS2用に直販サイトのパナセンスから販売されていたITアダプタ「VW-NET1」の改良型と見るのが正しいだろう。なお、対応するレコーダーは、DVDレコーダーの「DMR-HS2」「E90H」「E80H」、およびハードディスク内蔵ビデオデッキ「NV-HVH1」となっている。

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“ブロードバンドレシーバ”「DY-NET2」
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背面インタフェースはシンプルだ。本体サイズは44(幅)×79.5(高さ)×130(奥行き)mm

 ブロードバンドというよりは、常時接続環境向けのリモートコントロール端末といった方が性格にその姿が伝わるだろう。ブロードバンドレシーバの場合、リモートテレビ番組予約サービスのアイラテを利用し、携帯電話からDIGAを操作できる。アイラテで提供されている電子番組表から録画指示を出せるほか、時間を指定しての予約、予約取り消し、予約修正などを行える。また予約設定時に電子番組表から番組名を取り出し、自動的に録画ファイルの名称として設定する機能も含まれるようだ。

 “ようだ”と記したのは、ブロードバンドアダプタは試用可能な状態にあるものの、記事執筆時点ではアイラテのDIGA向けサービスが開始されておらず、実際の動作・振る舞いについては、現時点では不明な部分もあるからだ(編集部注:発売&サービス開始は4月10日予定だったが、サービスの都合で延期されている)。追ってアイラテのDIGA向けサービスが開始されてから、詳しくブロードバンドレシーバの機能について紹介することにしたい。

E90H、その基本はHS2

 もっとも、今回はブロードバンドレシーバのために評価するはずだったため、DMR-E90Hそのものの機能となると、実は目新しいところは少ない。細かな部分を無視すれば、昨年7月に発表された「DMR-HS2」のディスク容量を40Gバイトから120Gバイトに向上させ、さらにHDDからDVD-Rへのダビング時にビットレート変換せず高速に録画する機能が加えられたモデル(SPモード時なら実時間の約1/4で録画可能)ともいえる。

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松下製AV家電共通のユーザーインタフェース。アイコン表示もわかりやすい

 しかし、HS2は発売当時、先進的な機能を搭載し、その上で高画質化にも取り組んだ製品だった。それらはE90Hでもそのまま引き継がれている。

 たとえば、本体に装備されたPCカードスロットからJPEG画像を取り込み、本体内のハードディスクおよびDVD-RAMにライブラリとして保存できる。さらに印刷コマを指定する標準規格DPOFに対応しており、メモリカードにDPOFタグ付きで書き戻すことが可能だ。したがってデジカメ画像をライブラリ化し、テレビで閲覧。気に入った写真をDPOFタグ付きでメモリカードに保存し、DPOF対応デジタル写真プリンタで出力すれば、PCを一切介さずにデジタル写真を楽しむ環境を作ることができる。

 PCでデジタルカメラ画像を管理している人も、気に入った写真をE90Hに保存しておけば、いつでも手軽にテレビで再生させて楽しめる。家族でデジタルカメラを使っているユーザーに、PCで活用するのとはまた違った楽しみ方を提供してきれる機能だ。

 DV入力自動録画機能も、HS2から引き継いで利用可能な機能。DV端子でデジタルビデオと接続し、E90H側からDV入力時同録画を呼び出すと、ビデオ側をi-Link経由でリモート操作し、自動的にHDDあるいはDVD-RAMに取り込んでくれる。

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プログラムナビの編集メニュー。DVから入力したビデオタイトルには日付が自動挿入されるが、時刻が入らない。このため1日で複数のビデオを処理する時には注意が必要

 録画されたビデオの切れ目でプレイリストのインデックスが入るのはもちろん、シーンが大きく転換するフレームでも自動的にインデックスが入るのは便利。たとえば数年前までのDV編集ソフトでカット編集し、DVテープに書き戻していたビデオなどでは、シーンの切れ目を示す信号が入っていない場合があるが、そのような場合でも(100%の確率ではないが)インデックスでの頭出しが可能となる。

 もちろん、録画ソースをコマ単位でカット編集し、手動でプログラムリストを作成してからDVDへと録画することもできる。各プログラムのインデックスには漢字を使った名前も入力可能。リモコンの十字レバーを使って文字入力が行えるほか、携帯電話ライクにテンキー操作で文字入力を行うこともできる。

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タイトル入力は十字キーのほか、携帯電話のようにテンキーからの入力もサポート
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プレイリストは録画ビデオのタグ集のようなもの。各シーンのイン・アウト点を記録しておき、指定された順で映像を再生する。HDDのほかDVD-RAM再生でも利用できる
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プレイリスト編集機能のメニュー画面
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プレイリスト編集は簡単。イン点とアウト点を次々と指定していくだけで、あとはDiGAが一本のビデオとしてつないでくれる。複数の映像ファイルに跨っていてもかまわない

 3次元Y/C分離、3次元ノイズリダクション、タイムベースコレクタを装備したテレビチューナー部の画質や、MPEG2圧縮時のノイズを軽減するノイズリダクションの効き具合も良好で、クリアなMPEG2映像を楽しめる。絵作りの面では好みもあるだろうが、テレビソースの録画再生において、一般には画質面での不満はほとんど感じないだろう。

 ただ、下位機種の「DMR-E80H」に装備されている1.3倍速の早見再生(音声の音程を変えずに素早く再生できる)やDVDオーディオ再生に対応していない点には疑問も残る。上位機種として完全上位仕様であれば、なお良かったのだが……。

マニア層ではない普通の人が、より便利なビデオとして使える製品

 本機をもう少し俯瞰してみると、東芝RDシリーズのように録画マニアのための機能性を重視した作りではなく、普通にビデオデッキを使ってきたユーザーが、それまでの録画とダビングというビデオ活用スタイルを、よりシンプルに使いこなせることを目標にした製品といえる。デジタルカメラやデジタルビデオで撮影した写真や映像を、最小限の労力でライブラリ化できる点などだ。

 一方、ハードディスクに録画したビデオや、自分で撮影した映像に、多少手を加えてわかりやすくライブラリ化する装置としては、もう一工夫欲しいと感じるところもある。おそらくそれは、筆者がヘビーなPCユーザーだからだろう。

 たとえば、東芝の「RD-XS40」や「RD-X3」では、イーサネットを通じて繋がったPC上で、電子プログラムガイドにアクセスし予約登録を行えるほか、PCのキーボードを使ってプログラムのタイトル入力をこなすこともできる。つまりPCのインターネットアクセス機能や高精細なスクリーン、キーボードを、HDD付きDVDレコーダの機能の一部として、ネットワークを通じて取り込んでいる。

 松下電器としては、おそらくそんな難しいこと(実際にはそうでもないのだが)をユーザーにさせるよりも、携帯電話向けにリモート操作を行う機能をオプション提供し、PCとのネットワーク連携部分のコストを、テレビチューナーやDVDプレーヤーとしての機能や品質に割り振りたいという思想なのかもしれない。

 しかしこれだけPCが普及した現在、大量に録画処理するほどタイトル入力は重要になる。取り溜めたビデオをすぐに見るならタイトル編集もさほど重要ではないが、録画が手軽になった分、蓄積されるビデオの本数も増える。

 もちろん、本機の場合もブロードバンドレシーバを使えば、携帯電話から電子プログラムガイドのタイトルを自動挿入したり、本体側から電子プログラムガイドにタイトルを取得に行くといったことも可能だ。しかし音楽ライブの録画を、曲ごとに整理して、それぞれに曲名を付けたいといった場合には、かなり煩雑な操作が必要になる。

 本機は手軽で高画質。簡単操作がウリだが、その分、録画マニア向けの柔軟性には欠けるきらいがある。逆に余分な機能は不要だから、よりシンプルかつ機能も豊富な製品が欲しいというのであれば、長所の多い製品といえるだろう。

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関連リンク
▼松下電器産業
▼DIGAシリーズ製品情報
▼アイラテ

[本田雅一,ITmedia]



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