リビング+:ニュース |
2003/04/22 16:36:00 更新 |
スカイリー、小型P2Pソフトウェア「MicroDECENTRA」を発表
スカイリー・ネットワークスは、新たに開発したP2Pソフトウェア「MicroDECENTRA」の詳細を明らかにした。業務用途のセンサーネットワーク端末に搭載したい考え
スカイリー・ネットワークスは4月21日、東京国際フォーラムで開催された「センサーネットワークセミナー」で、同社が新たに開発したP2Pソフトウェア「MicroDECENTRA」の詳細を明らかにした。従来のソフトウェア「DECENTRA」よりもサイズを抑え、省電力化を図っている点が特徴。
MicroDECENTRAは、写真のような小型センサーネットワーク端末(試作機)に搭載される
スカイリー・ネットワークスは、IEEE 802.11bなどの無線ネットワーク上で動作するP2Pソフトウェア、「DECENTRA」を開発した企業(記事参照)。同ソフトウェアは40Kバイトとサイズが軽く、モバイル端末に搭載することを想定したものだった。
しかしMicroDECENTRAでは、さらにソフトウェアのサイズを小さくして、省電力化を実現している。必要とする実行メモリは5Kバイト以下で、16ビットのCPUに対応。無線フレームは、1フレーム15バイトを想定している。
双方向半二重通信を行い、CRC(巡回冗長検査)によるデータ欠損チェック機能を備える。同社の試作端末では、316.74MHz、307.74MHzといった周波数帯を利用し、見通し50mの通信距離、512Kbpsの通信速度を実現したという。
同社はこれを、業務用途の“センサーネットワーク端末”に搭載したい考え。たとえば、温度/湿度センサー、電圧/電流センサー、動き検知カメラなどに利用して、センサーデータをリレー方式で転送するという。
3ホップ、8台まで
MicroDECENTRAでは、電源が入るとまず周囲の端末に自らの存在を通知して、経路表の交換を行う。こうしてネットワーク経路生成を行う間は、データ通信をしない。
この経路生成がひとしきり終わると、はじめて通信を開始する。経路生成とデータ通信をはっきり分けることで、バッテリの消費を抑えているという。逆にいうと、データ通信と経路生成を並行して周期的に行い、動的に経路発見を行う――といった用途には適していない。
スカイリー・ネットワークスの梅田英和社長は、MicroDECENTRAは当面、3ホップ、8台までの経路制御しかできないとコメント。従来のDECENTRAと比較してそれぞれの特徴があるため、状況に応じて使い分けることが重要と話した。
関連記事
三鷹駅前に「P2P本屋」が出現
被災地に無線LANを 〜練馬区と都、合同訓練
スカイリー・ネット,“たまごっち”状のP2P端末を開発
スカイリー,梅田社長に聞く「P2P端末の技術上のポイント」
関連リンク
スカイリー・ネットワークス
[杉浦正武,ITmedia]