特集:いま、固定→携帯通信が変わる
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― | TTNet | 平成電電 | C&WIDC | フュージョン | NTT東西 |
費用 | 1億円未満 | なし | 僅少 | 1億円以下 | 数億円 |
期間 | 半年 | なし | 2カ月 | 未回答 | 半年程度 |
― | NTTドコモ | au | J-フォン | ツーカー |
費用 | 数億円 | 数千万円 | 数千万−数億円 | 4千万−2、3億円 |
期間 | 1年−1年半 | 1年程度 | 1年程度 | 10カ月以上 |
*C&WIDC=ケーブル・アンド・ワイヤレスIDC
フュージョン=フュージョン・コミュニケーションズ
これを見ると、NTT東西やNTTドコモといった大手通信事業者が、いずれも数億円程度の費用を負担することになっている。携帯事業者は、いずれも数千万円以上の負担を見込んでおり、先の減収と合わせると2重の負担を背負わされることになる。
研究会でも、携帯事業者の事業経営に大きな影響が生じかねないことに配慮し、必要最低限の水準で何らかの激変緩和措置をとる必要性を認めている。
一方で、目立つのが平成電電の「なし」という回答。これはつまり、いますぐにでも中継接続に対応できるということだ。ケーブル・アンド・ワイヤレスIDCにしても、費用は「僅少」、必要とする期間は「2カ月」と、比較的軽い負担ですんでいる。
これには、理由がある。2社のようないわゆる後発事業者は、設備投資の段階で比較的“新型”の機種を揃えている。このため、そもそもの交換機が、導入時点で中継接続に対応しているのだ。後発組ほど、効率のよいインフラを揃えて競争力を持ち、大手は旧式のインフラに悩まされるというのは、通信業界の常でもある。
いずれにせよ、平成電電などは中継接続を導入するデメリットが見当たらない、といったところだろう。こうした事業者が料金設定の見直しを主張する理由が、よく分かる。
報告書案内には「中継接続支持」が明確にうたわれているが、ひとくちに中継接続といっても「選択中継」と「優先接続」がある。後者は“携帯のマイライン化”と呼ばれるものだ(見えた「携帯マイライン化」への道のり参照)。
中継接続を導入すべきという立場においても、選択中継にすべきか優先接続にすべきかは、意見が分かれている。理由はやはり、コストの問題。たとえば、「今後IP電話が普及し、ユーザーが固定電話からIP電話に移行してしまう可能性があることを考えると、リスクをかけて設備投資を行う意義は低い」といった具合だ。
こうした議論をふまえ、報告書案では「選択中継に加え、優先接続も導入する場合」の費用について試算した結果も掲載されている。数値は、固定→固定通信のマイライン導入時を参考に、NTT東西地域会社が試算したもの。
項目 | 概算費用 |
交換機などの開発費用 | 50億円程度 |
周知費用 | 数億−50億円程度 |
マイラインセンター費用 | 100−200億円程度 |
また、同様に試算した「導入までに必要となる期間」は、約2年半から3年程度とされている。こうした数字を見ると、さすがに導入にあたっては慎重にならざるをえないように思われる。事実、報告書案でも「中継接続(選択中継)を導入した後……(中略)……必要があれば、別途優先接続導入について見当することを否定するものではないが、まずは選択中継から行うべきである」と結論づけている。
以上見てきたように、報告書案では選択中継を支持する結論を出している。現在はこの案に対する意見募集を行っている最中であり(総務省のページ参照)、寄せられた意見を元にして6月をめどに方向をとりまとめる予定だ。
さて、これで話が一段落したのだが、実は報告書案ではIP電話発、携帯電話着の通信についてもどのように料金設定すべきか言及されている。
世間の注目を集めるIP電話が、どのように枠組みを決められていくのか? 明日の最終回では、この点を説明したい。
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特集:いま、固定→携帯通信が変わる 3/4 | 5/9掲載分 |
[杉浦正武,ITmedia]
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