リビング+:ニュース 2003/07/23 21:13:00 更新


So-net、赤字から巻き返しへ 〜策は?

So-netは7月23日、2003年度第1四半期の決算説明会を行った。赤字覚悟の加入者獲得コストを投じたが、加入者数の伸びは逆に鈍化するなど、苦しい内容。今後の対策とは?

 ソニーコミュニケーションネットワーク(So-net)は7月23日、2003年度第1四半期の決算説明会を行った。売上高は、前年同期比3.4%減の、93億2300万円に。営業利益ベースで2億7600万円の赤字、経常利益では3億200万円の赤字を計上し、いずれも前年同期を下回る業績となった。

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So-netの山本泉二社長

 So-net会員数の伸びは、2002年以来ほぼ横ばいとなっており、229万人。ブロードバンド会員数も、前四半期の42万人から、4万人増えただけにとどまった(下表参照)。

2002年6月末9月末12月末2003年3月末6月末
BB会員27万32万37万42万46万

 同社の山本泉二社長は、この数字に「当初は、もう少し伸ばしたいと考えてきたが……」と、不満げな表情。もともと同社は、ブロードバンド会員の獲得をめざして積極的に費用を投じる計画だった(記事参照)。実際に赤字覚悟のコストをかけておきながら、むしろ伸びが鈍っているようでは、厳しい決算内容といえる。

 山本社長は、ブロードバンド会員が伸びない理由を「他社がもっと(会員獲得費用として)お金を出しているということ」と分析する。「4万人増は確かに少ないが、使わなければ、もっと減っていただろう」。このあたりは、さじ加減が難しいとした。

コンテンツ強化で巻き返せるか?

 今後、同社はブロードバンド会員を増やすために、さまざまな施策を展開する考え。従来からの路線である「光ファイバー重視」の姿勢を継続するとともに(記事参照)、大学生協、am/pm、ソニープラザといった、リアル店舗での入会経路を強化するという。

 また、コンテンツの充実も課題となる。具体策として挙げられたのは、360度マルチアングルカメラがウリのブロードバンドシアター(関連記事その1その2)、無料のブロードバンド放送であるSo-net TV(記事参照)、それに新サービス「Wonder Juke」などだ。

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Wonder Jukeのイメージ

 Wonder Jukeとは、オンデマンド形式で楽曲ファイルをストリーミング配信するサービス。ビットレートは、128Kbpsとなる。「楽曲はダウンロードできず、データが手元に残らない。しかし曲名のリストは(ローカル環境に)あるため、、自分なりのプレイリストを作成できる」(山本氏)。1曲の価格などは、未定だという。

 同サービスは、7月にβテストを開始し、9月末まで無料トライアルを行った上で、10月に有料サービスにつなげる予定。曲は「原盤権を持つところと、交渉を行っている段階」だが、14ジャンル、1万曲以上を用意するつもりだという。

 山本氏は、こうした事業が早く成長して“収穫”の時期に移行できることを望むと話す。現状、業界内での競争が激化していると指摘しつつ、「いまは耐えて、体力を蓄える時期」と位置付けた。

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▼So-net

[杉浦正武,ITmedia]



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