リビング+:ニュース 2003/09/26 19:29:00 更新

レポート
ネット家電のある生活を体験してきました (1/2)

白物ネット家電といえば東芝の「FEMINITY」シリーズが有名だが、2003年末から2004年にかけ、日立製作所と松下電器産業がタッグを組んでネット家電商品を市場に投入する。両社の進めるエコーネット&特定小電力無線の白物家電ネットワークは、ユーザーの生活に何をもたらすのか。日立ホーム&ライフソリューションのデモルームを訪ね、ネットワーク家電システム事業ユニットの加藤隆夫ユニット長に話を聞いた。

 物心ついたときにカラーテレビが家にあった。そんな世代には実感がわかないものだが、家庭に電化製品が入るようになったのは、ごく最近のことだ。今年は、テレビ放送が始まってから、ちょうど50年目。かつて、洗濯機、冷蔵庫、テレビが「三種の神器」などと呼ばれたように、家電製品のある生活は庶民のあこがれだった。

 しかし、ほとんどの家庭に普及した今、家電に夢やあこがれを抱く人は少ない。日立ホーム&ライフソリューションのネットワーク家電システム事業ユニットの加藤隆夫ユニット長はこう指摘する。「たとえば洗濯機は家事の効率を上げ、主婦でも趣味の時間や仕事が持てるようになった。家電が生活をサポートしたことで“時間”が提供されたわけだ。しかし、50年経って一定の普及をみた今、家電は単なる“モノ”になりつつある」(加藤氏)。

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日立ホーム&ライフソリューション、ネットワーク家電システム事業ユニットの加藤隆夫ユニット長

 いつしか家電の価値は忘れられ、あって当然のものになった。しかし、今の家電が人々の要求をすべて満たしているわけではなく、進化が止まったわけでもない。では、家電はどう進化すればいいのだろうか。1つの解が、ネットワーク化だという。

 日立は、2001年7月に松下電器産業と共同で、エコーネットと特定小電力無線を使った家電ネットワークの推進を打ち出した(関連記事)。2003年8月には、家電向けのネットワークサービス「生活サポートサービス」を年度内にも開始すると発表。合わせて各種のネット家電や「通信アダプター」を展示したデモルームを設置し、業種を問わずパートナー企業に公開している。

 「利用者がどういう生活をしていて、何を望んでいるのか。ネットワークの使い方を考え、家電が今以上に生活をサポートできるようにする。それが日立のホームネットワーク開発の位置づけだ」。

パソコンで冷蔵庫や洗濯機を操る

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デモルームは1LDK。リビングの反対側にキッチンがある

 1LDKのマンションを模したデモルームには、冷蔵庫、電子レンジ、エアコン、照明器具、そして開閉センサーなどが実際に使える状態で展示されている。多くは松下との提携発表時に展示されていた試作機だが、2003年末から2004年3月頃(年度末)には市場投入する予定だ。

 システムの中心となる通信アダプターは、ブロードバンドルータのような縦置きタイプ。四つのボタンと四つのLEDを持ち、後部から特定小電力無線のアンテナが立っている。インタフェースは無線とWAN側イーサネットポートだけで、これをADSLモデムやルータのLAN側ポートに接続する。

 日立の場合、各種の設定や操作はすべて同じネットワーク内にあるPCから行う。PCユーザーにとってはありがたいが、反面、家電としては敷居の高くなる。一方、松下は壁に埋め込むタイプのコントローラを開発しており、東芝は無線LAN接続の専用端末を提供中だ。これは、常時接続環境が必須であること、そしてネット家電を導入する家庭は、まずPCユーザーという読みがあるからだ。

 「本当は、まだ“家庭に入る形”ではないが、詳細な設定はPCの広い画面で行ったほうが便利だ。よく使う操作はリモコンのボタンに割り当てておく。設定や情報取得の画面と普段の操作を切り分けたほうが、便利に使えるはずだ。専用端末は、必要だと判断したときに作る」。

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通信アダプター

グループ操作

 では、PCが同居する家電ネットワークはどのようなメリットを提供してくれるのだろうか。日立の家電ネットワークシステムが提供する機能は、主に六つある。

 おそらく、もっとも利用頻度が高いのが“グループ操作”だろう。これは、あらかじめ家電や照明器具をグループ化しておき、ボタンひとつで一括オン・オフできるというもの。たとえば、「おでかけ」というグループ名を作り、すべての家電をオフに設定しておけば、外出時にいちいち各部屋を見回る必要がなくなる。イメージとしては、学習リモコンのマクロ操作に近いだろう。

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グループ設定画面。帰宅したとき、ボタンひとつでリビング、ダイニングの照明とエアコンがオンになる「おかえり」設定の例

 設定は簡単だ。エコーネット(特小無線)対応機器を導入すれば、設定画面の機器一覧に自動的に反映される。必要な機器にチェックを入れ、操作を選択。グループの名称を付けて保存(登録)する。それを「ワンタッチボタン設定」から通信アダプターやリモコンのボタンに割り当てるだけだ。少なくとも、PCユーザーなら迷うことはない。

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ボタンを割り付ける。リモコンにはA〜Iの9個のボタンがある

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リモコンは8個まで利用できるため、家族それぞれが自分専用のリモコンを使える

お知らせ機能

 外出時の操作がボタンひとつになると、逆に心配なのが戸締まりだ。「お知らせ機能」は、各種センサーと連携し、窓やドアが開いているとき、あるいは開いたときに音と携帯メールで報せてくれる。

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ドアに設置された開閉センサー

 この機能は、セキュリティや介護などさまざまな応用が考えられるという。「たとえば、介護が必要なお年寄りがいる場合、部屋のドアにセンサーを設置しておく。ドアが開けば通信アダプタが音を発して家人に教える。外出中に空き巣が侵入したら、音で威嚇し、メールで報せるなど、ユーザーによって、まったく異なる使い方ができるだろう」(同社)。

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携帯メールのアドレスは二つまで登録可能。玄関や部屋まで特定できる

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携帯電話にメールが届いた

家電の遠隔制御

 携帯電話からの遠隔操作も期待される機能のひとつだ。たとえば帰宅時、駅に着いたらリビングの照明とエアコンをオンにする。自宅に着いたら、明るい部屋と快適な温度が迎えてくれるという寸法。

 また、不在時に照明を点けるなどして在宅を装う、いわゆる「いるふり防犯」にも使える。ストーカー問題が取り沙汰されるようになって久しいが、そうした人間の場合、タイマーなどで“いるふり”をしても、時間が決まっているために察知されるケースが多いのだという。しかし、家電を遠隔制御すれば、例えば人が移動しているように部屋から部屋へ電灯の明かりが移るといった操作も可能になる。

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家電の操作画面。状態の確認とオン・オフが可能。エアコンの場合は温度設定も変えられる

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照明が点いた

洗濯機をアップデート?

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[芹澤隆徳,ITmedia]



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