リビング+:ニュース 2003/11/07 23:59:00 更新


KDDIが明かした、「車載モバイルルータ」構想

KDDIが、新しいカーテレマティクスのかたちを提案している。新開発の「車載モバイルルータ」を利用し、無線LAN、PHS、CDMA2000 1xEV-DOといった通信方式をシームレスに統合するというものだ。

 KDDIが、新しいカーテレマティクスのかたちを提案している。新開発の「車載モバイルルータ」を利用することで、無線LAN、PHS、CDMA2000 1xEV-DOといったさまざまな通信方式をシームレスに統合するというもの。

 11月7日には、実際に車載モバイルルータが稼動している様子が公開された。端末の性能を確認するとともに、同社の考えを聞いてみよう。

車載モバイルルータとは?

 カーテレマティクスを考える上で、問題になるのは“どの通信方式を採用するか?”ということ。PHSや携帯電話ならカバーエリアは広いが、通信速度はかなりの制限を受ける。逆に、無線LANなら高速通信が実現できるが、街頭での利用を考えると、通信インフラの整備はまだまだこれからの状況だ。

 これらの異なる通信方式を1台の端末に統合し、状況に応じてシームレスに切り替えたい。しかも、通信方式が変わるごとにいちいち認証をやりなおすのでなく、端末側で自動切り替えができれば――というのが、車載モバイルルータの根本的な考え方。同時に、この端末の配下にPCやPDAを接続できるようにして、手軽に“車内ネットワーク環境”を構築可能にするわけだ。

 同社は以前から、展示会などでたびたび車載モバイルルータの参考出展を行っていた(記事参照)。しかし、開発がまだ進んでいないこともあり、詳細は明らかにされてこなかった。だが、今年7月下旬から10月初旬にかけて行った実証実験で、実用化のメドが立った。10月31日にはCDMA2000 1xEV-DOと無線LANのシームレス通信にも成功したと発表し(記事参照)、報道向け公開につなげている。

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KDDIの技術開発本部、ITS開発部長の小花貞夫氏。「携帯電話の台数は、いずれ飽和する。カーテレマティクスの市場に、優位な立場で進出したい」

端末のスペック

 今回、開発されたモバイルルータは、50×178×182ミリと1DINサイズ。外部インタフェースとしてUSBポート、シリアルポート、PCMCIAスロットをそれぞれ2つずつ備えるほか、RJ45ポート、イーサネットポートを搭載する。通信方式としては、IEEE 802.11a/b/g準拠の無線LAN、PHS、Bluetooth、DSRC、CDMA2000 1xEV-DOなどに対応している。266MHzのCPUを搭載しており、GPSやモニターといった機器を接続することも可能だ。

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実験に使用された、KDDIの電波測定車

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車内にはモバイルルータが搭載されている。実際に、無線LANのメディアコンバータとCDMA2000 1xEV-DO端末が接続されていた(クリックで拡大)

 ネットワーク面では、IPv6に対応。また、モバイルIPの機能を実装することで、最大の特徴であるシームレス通信を実現した。モバイルルータに気付アドレスを割り当て、ホームエージェントに登録することで、そのアドレス宛にパケットを送信する仕組み。通信方式の変更によりIPアドレスが変わっても、気付アドレスとマッチングさせることで、シームレスな切り替えを実現できる。

 「ルータ配下の端末に気付アドレスを割り振る考え方もあるだろうが、今回はルータ側にアドレスをつけた」(KDDI研究所のグループリーダー、堀内浩規氏)。このルータからレイヤ2のスイッチを経て、PCやPDAにつながるかたちをとっている。

 通信の切り替えにあたっては、“料金優先”“速度優先”などのルール設定をブラウザベースで行える(記事参照)。もっとも、このルールはプリセットで出荷することも考えられるようだ。

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車内モニターで、電波強度(青線)および通信量(赤線)を確認したところ。現在、IEEE 802.11aとCDMA2000 1xEV-DOの両方で通信を行っている(ちなみに、CDMAの電波強度は仮の値)

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無線LANの通信が途切れたところ。ここで、無線LANを利用して表示させていたWebカメラの映像(右上)は消えたが、ストリーミング映像(右下)は途切れることなく表示されている。CDMA2000 1xEV-DOの通信量が増大し、シームレスな通信が実現された証拠だ

今後の展開は

 KDDIでは今後、車載モバイルルータの展開として2つの方向性を考えている。カー用品のアフターマーケット、カーメーカーと提携しての純正マーケットだ。

 アフターマーケットでは、今後、1〜2年以内に販売される見込み。価格は、一応の目安として5万円以下程度とされた。また、純正マーケットについては現在、カーメーカーと交渉がこれから始まる段階。実際に乗用車にモバイルルータが組み込まれるのは、まだ先のようす。

 KDDIはまた、このモバイルルータを活用してさまざまなネットワークサービスも提供したい考えを明かした。発表会場では、車内からホームネットワーク家電を操作するサービス、ホテル、レストランの予約サービス、ホームサーバと連動したコンテンツのストリーミングサービスなどが示された。この種のコンテンツは、通信インフラが未整備であるがゆえに、実現が遅れていたもの。KDDIの技術により、今後市場全体が活性化することは、期待してよさそうだ。

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▼KDDI

[杉浦正武,ITmedia]



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