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2003/11/13 23:59:00 更新 |
DICON2003
ネットゲームで“脳波”を送信 〜サイバーな楽しみ方はいかが?
ネットゲームの対戦では、生身の人間を相手にした駆け引きが、おもしろさの重要な要素。ところで、この駆け引きを一層楽しむために、脳波や心拍数をやりとりするという、なんともサイバーなツールがある。
ネットゲームの対戦では、生身の人間を相手にした駆け引きが、おもしろさの重要な要素。ところで、この駆け引きを一層楽しむための、“サイバー”なツールがある。
13日に韓国・ソウルで開幕したデジタルコンテンツの展示会、「DICON2003」の会場で、国立ソウル大学がウェアラブルセンサーシステムのデモを行っている。頭部にセンサーを装着し、人間の脳波、心拍数といったデータを取得。分かりやすい表示に変換した上で、ネットゲーム対戦者同士で交換するのだという。
ネットゲーム対戦にいそしむ学生。彼の頭部には、なにやら不思議なヘッドバンドが……
たとえば、ネットワーク経由でポーカーのゲームを行っていたとしよう。対戦相手がカードを交換した後、不敵にも「レイズ」を宣言したとする。このとき、アバター(相手を表すキャラクター)は完全なる“ポーカーフェイス”を決め込んでいる。
しかし、ここで相手の“緊張インジケータ”を参照したところ、極度の緊張状態に陥っていること確認できたとしたら、どうだろうか? 迷うことなく、「ブラフだ!」と見破ることができるかもしれない。このヘッドバンドは、そんな使われ方を想定したものだ。
写真は、韓国のネットゲームサイト「ハンゲーム」に、システムを追加したところ
キャラの隣にあるアイコンに注目。どうやらこのプレイヤーは、余裕があるようだが……?
α波、β波などを測定、データに置換する
システムの原理を、見てみよう。ヘッドバンドは、プレイヤーから心拍数、脳波などのデータを取得する。これらはいわば、体内環境を示す生データといったところ。
ヘッドバンドの内側。4つの金属製の突起物を押し当てることで、右脳、左脳の脳波、および心拍数を計測する
一口に脳波といっても、さまざまな種類がある。脳波とは、脳の活動状況に応じて発生する電位変動なわけだが、この波は周波数に応じてδ(デルタ)、θ(シータ)、α(アルファ)、β(ベータ)に区分することができる。
脳波を見て、α波が優位の状況か、β波が優位の状況かなどを確認すれば、その人の精神状態をある程度推測できる。「安静にしてリラックスしていると、α波が出る」とか、「眠くなりボーっとしてくると、θ波が出る」などと、何かの機会に耳にした人も多いだろう。
ヘッドバンドから取得された生データを、上記のような分析にかければ、「この人は興奮している」「ストレスを感じている」など、分かりやすい表示に変えることができる。この部分のノウハウが、国立ソウル大学が技術開発した部分だ。デモでは、プレイヤーの精神状態を何種類かのアイコンで表していた。
国立ソウル大学の説明員によれば、現在のシステムはプロトタイプの段階。来年にも実用化が可能で、実際にハンゲームでの導入が決まっているという。実現すれば、ネットワークゲーム対戦も、様変わりするのかもしれない。
取得された生データ。相手をあざむくため、「ワザと興奮する」プレイヤーや、「傍観者にヘッドバンドを装着させる」プレイヤーなども出てくる? 個人的には、なんとなく「ジョジョの奇妙な冒険」のダービー弟を思い出してしまった
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[杉浦正武,ITmedia]