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2003/11/18 23:53:00 更新 |
BSデータ放送もブロードバンド?〜デジキャスの新サービス
ブロードバンドを活用してBSデータ放送を高速&大容量化。そんなサービスをデジタル・キャスト・インターナショナル(以下、デジキャス)が11月20日から提供する。サービス名称は「デジキャス・ツー」だ。
ブロードバンドを活用してBSデータ放送を高速&大容量化。そんなサービスをデジタル・キャスト・インターナショナル(以下、デジキャス)が11月20日から提供する。サービス名称は「デジキャス・ツー」だ。
BSデータ放送には、テレビ番組と連携した「番組連動型データ放送」と、独自コンテンツを提供する「独立データ放送」の2種類がある。デジキャスのサービスは後者に分類され、生活・情報番組の933ch、ショッピングを扱う934chなどを提供中だ。しかし、放送波を使ってコンテンツを伝送する現在のデータ放送では、「放送帯域が限られていることや、画面表示前に受信機内のメモリにデータを蓄えなければならないことから、放送できるコンテンツの量に制約がある」(同社)。
一方、12月の地上デジタル放送開始を前に、メーカー各社は3つ(BS、CS110度、地上波)のデジタル放送すべてに対応するチューナーを相次いで投入している。これらの製品は、いずれもIP接続機能とイーサネットポートを装備。地上データ放送の上り回線として使うためだ。
チューナーにイーサネットポートが付いているのなら、活用したい。これを実現したのがデジキャスの新サービスだ。「BSデジタル放送のBMLコンテンツから、Webサーバに置いたBMLコンテンツへのリンクを実現した。コンテンツをWebサーバに置けるようになるため、理論上は容量の限界がなくなる」(同社)。
デジキャス2では、視聴者はまず放送で送られてきたコンテンツを視聴する。この画面にはWebサーバへリンクが張られており、リンクを辿れば、以降のデータ取得をブロードバンド回線経由で行う仕組み。つまり、「放送波で取得したBML画面を“ポータル”にして、Webサーバのコンテンツに飛ばす」(同社)。ユーザーは、コンテンツの取得先を意識することなく、操作もシームレスに行える。ただし、BMLはHTMLと互換性がないため、一般のWebサイトを見ることはできない。
デジキャス・ツーのトップページ
なお、同社によると、今回の手法はイレギュラーな独自技術ではないという。「ARIBの規格にも“技術的には可能”と記されているものだ。実際にサービスを行うのは初めてだが、他社が追随する可能性も高いだろう」(同社)。
デジキャス・ツーでは、11月20日から「生活・情報チャンネル」(933ch)で、通信コンテンツとリンクした番組を放送する。内容は、過去に放送した番組のアーカイブなど、やはりWebサーバの容量を活かしたものになる予定だ。
たとえば、“相田みつを美術館オリジナル日めくり「ひとりしずか」”に掲載された全31作品をすべて視聴できる「相田みつを こころの日めくり」、過去に「Drive Your Dreams.」で放送したF1情報の抜粋など。放送期間は11月20日から12月31日まで。放送時間は午前6時から深夜2時となっている。
「Drive Your Dreams.」(左)と「相田みつを こころの日めくり」(右)
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ニュースリリース
[芹澤隆徳,ITmedia]