リビング+:特集 2003/12/25 23:58:00 更新

レビュー:松下電器産業「DMR-E200H」
すべてが及第点、でも“物足りない”面もある「DIGA」

松下電器産業の「DIGA」シリーズは、新しいブランド名を与えられたことからも分かるように、同社がハイブリッドレコーダー市場に送り込んだ戦略モデルだ。その最上位機種「DMR-E200H」は、ブロードバンドレシーバーの機能を取り込むなど、非常に多機能。だが、ハイエンドの録画機として考えたときは、ちょっと物足りない面もある。

 ボブ・サップのCMでお馴染みとなった松下電器産業の「DIGA」シリーズは、新しいブランド名を与えられたことからも分かるように、同社がハイブリッドレコーダー市場に送り込んだ戦略モデルだ。その最上位機種「DMR-E200H」は、本体前面にカードスロットを2つ備え(SDカード、PCカード)、従来はオプションとして販売していたブロードバンドレシーバーの機能を取り込むなど、非常に意欲的な製品に仕上がっている。

アウトライン

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大きめのインシュレーターに直線的なデザイン。“ハイエンドらしい機能美”か、“ごつい”と感じるかは見る人によって異なる

 「DMR-E200H」は、多機能だ。2003年7月に発表された製品のため、HDD容量は160Gバイトとちょっと少ない印象も受けるが、同社の従来モデルに比べると非常に多くの点で進化を遂げた。たとえば、HDDからDVDへのダビングで再エンコードが発生していたが、E200Hと下位モデルの「DMR-E100H」はプレイリスト編集の結果を無劣化で高速ダビング可能。さらに、通常のMPEG2記録と並行してHDDやSDカードにMPEG4で圧縮した動画を記録可能なほか、PCカードもしくはSDカードスロットから写真をハードディスクに取り込み、テレビを使って閲覧する機能など、単なるテレビ番組の録画機を超えたような機能も与えられた。

 ここまではE100Hと共通した機能だが、DMR-E200HではHDD容量の違いにくわえ、チューナーもGRT付き。さらには米Gemstarの「G-Guide」を用いたEPG、ジョグ&シャトルリング付きの高機能リモコン、携帯電話からのネット予約などの「ブロードバンドレシーバー」相当の機能などによって差別化が図られている。

DMR-E200Hを選択する理由、その1
さまざまな使い方に対応できる多機能さ

 本機の特徴は、あらゆる使い方に対応できる多機能性だ。中でも、MPEG4同時記録は他製品に例がない。本体内蔵のSDカードに保存するように設定しておけば、朝の忙しい時間帯に外に持ち出して、携帯電話などのMPEG4再生機でニュースや好みの深夜番組などを見るといった使い方ができる。E200Hで録画したMPEG4の動画は、同社製の携帯電話やMPEG4ムービーカメラの「D-Snap」で再生できる。

 記録できる映像は320×240ピクセル〜176×144ピクセルで、フレームレートは15〜6fps。小さな画面上での再生にしか耐えられないものだが、比較的安価な128MバイトSDカードでも、最高画質で16分、比較的視認性の高いファインモードで40分が記録可能。512Mバイトカードなら最高画質でも1時間番組を収めることができる。

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DIGAで録画したMPEG4動画は、D-Snapや同社製携帯電話で閲覧可能

 お馴染みのデジカメ画像の保存機能も、300万画素クラスまでならば快適に活用できるだろう。PSXにも同様の機能はあるが、PSXがメモリースティックにしか対応していないのに対して、本機はPCカードからの取り込みをサポートしているため、アダプタを用いることでさまざまなメモリカードに対応できる。取り込んだ画像は、DVD-RAMに保存することも可能だ。

DMR-E200Hを選択する理由、その2
EPG対応とブロードバンドレシーバー

 DMR-E200HにはDMR-E100Hではオプションだったブロードバンドレシーバーが標準装備されている。イーサネットケーブルをブロードバンドルータなどに接続しておけば、パソコンや携帯電話からいつでもすぐに予約を行うことができる。他機種にもあるパソコン、携帯電話からの予約機能だが、本機の場合、予約を送信すると即座に本体へと情報が送られる。たとえば東芝の方式では、定期的に予約情報を取得する方式のため、放送間際に録画したいと思っても間に合わない可能性があるが、E200Hの場合はそうした心配がない。この安心感が松下製品を選択するときのポイントになるかもしれない。

 松下のハイブリッドレコーダーとしては初めて搭載されたEPGも魅力のひとつだ。G-Guideは、番組説明が少なかったり、短い複数番組が1枠にまとめられていたり、極端な略称、あるいは時間データの入力ミスなどが目立つが、それでもあるとないとでは大違い。同じG-Guideでもソニーの実装とは異なり、3放送局同時に閲覧できるため、画面上から見える文字数は少ないが見通しは良い。ソニーの画面デザインはスッキリと見やすい反面、情報量が極端に少ない印象なのだ。本機の画面デザインはその正反対で、ゴチャゴチャと文字が詰まっている反面、情報量は多い。特にGガイドの場合、画面の約1/3が広告と放送中映像で占められてしまうため、限られた残りの部分でいかに効率よく情報を伝えるかが善し悪しの鍵になる。

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3放送局を同時に閲覧できるEPG。番組表から直接予約できる便利さは、一度使うと後戻りできない

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予約録画の登録画面

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もちろん、手動の録画予約もサポート

考慮すべき点、DMR-E200Hの場合

 幅広い機能を備え、機能のマルバツを付けるとバツになるポイントが少ないDMR-E200Hだが、最高機種ということで期待される録画/再生機能では他社と比較してはっきり「良い」とはいい難い。高品位な映像は及第点ではあるものの、これといって特記すべき点がないのだ。これは本機の性格をよく表している部分。新機軸の機能あり、EPG対応あり、無劣化ダビングにそこそこの編集機能、取っつきやすいユーザーインタフェースなどを備えているが、特別に得意だといえる分野がない。

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「プログラムナビ」は録画タイトルの一覧表示。リモコンを模したアイコン表示など、とっつきやすいインタフェースを採用

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カット編集などの機能も装備。リモコンのジョグシャトルを使えばイン点、アウト点の指定もラクにできる

 たとえば、MPEG2の圧縮品質も、他社の上位機種と比べると若干落ちる印象だ。「所詮はリアルタイムMPEG2エンコード」と考える人ならばいいが、少なくとも画質こだわるユーザー向きではない。それはビットレート設定にも現れている。マニュアルビットレートをサポートする機種が増える中、本機はあらかじめ用意された画質モードの選択しか行えない(約10Mbpsの『XP』モードから約1.7Mbpsの『EPモード』までの4段階)。最初からDVDに残すことを前提に、ギリギリのビットレートでDVDに記録するといったことはできないことになる。

 録画タイトルごとの再生位置レジュームに対応していないのも便が悪い。大量のコンテンツをHDDにため込めるハイブリッドレコーダーの場合、家族全員が同じレコーダーに多数の録画タイトルを持つことになるはずだ。タイトル別のレジューム機能は必須の機能だろう。

 また、内部プロセッサの強化が行われたのか、旧世代のDIGAよりも格段にレスポンスが良くなったものの、操作性に関しては“今ひとつ”の感がある。設定メニューや編集画面のデザインなどは、従来の松下機を踏襲するものだが、アイコンを基本にしたメニュー画面などはパッと見にはわかりやすいが、慣れてくると逆に面倒になってくる。さらに、HDDからDVDへのダビング時には操作を一切受け付けない。ソニー「スゴ録」なども同じだが、このあたりも改善してほしい点だ。

 DIGAシリーズで打ち出したコンセプトと機能をひとつにまとめた、まさに最上位グレードにふさわしいスペックを持つ同機だが、“ビデオレコーダー”の本質に立ち返ると特筆すべき点が見られず、この価格帯の製品としてはちょっと物足りなさが残るだろう。ただ、多くの部分で及第点を与えられるレコーダーでもあるから、明確な目的意識はないがハイブリッドレコーダーが欲しい、という人は、本機を購入しておけば大きな不満が出ることはない。

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[本田雅一,ITmedia]



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