電力のムダ使いを駆逐してやる! 「プラグワイズ」を会社で使ってみた情シスに直談判(3)

冬真っ盛り。年が明けて、気持ちも新たに仕事に取り組もうと思った新人記者・スズキにまたしても魔の手が。暖かい執務室を取り戻すため、スズキの新たな戦いが始まったのだった。

» 2016年01月06日 10時00分 公開
[ITmedia]
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 年が明け、2016年になった。去年は社会人になり、ITmedia ビジネスオンライン編集部に配属されるなど本当に忙しい1年だった。結局年末まで“1年を振り返る”系の記事や、年明け用の特集などの準備に振り回されっぱなしだったが、年も明けたし心機一転、気合いを入れて仕事をしよう。

 ……と思ったが、僕が全力で仕事をするために、乗り越えなければならない大きな“障害”がある。それはオフィスの寒さだ。いくら冬だからといっても、これは寒すぎる。何だか手先まで冷たくなってきたような気がしてきた。これではガンガン記事が書けるはずもない(自分の能力が足りないのかもしれないが)。

 去年から何かといろいろなお願いをしている、情シスのイシノさんにどうにかならないか聞いてみよう。

「オフィスが寒すぎる!」

編集部・スズキ: イシノさん、執務室の温度ってどうにかならないんですか! これじゃ寒すぎて仕事になりませんよ!

情報システム部門・イシノ: まーたスズキ君か。スズキ君も全社メールで来たでしょ。「冬季節電対策ご協力のお願い」って。暖房の温度は最高でも24度にしてね。

スズキ: それじゃ寒いからこうして言ってるんですよ。しかも夜になると強制的に止まっちゃうし。大体、節電節電、って暖房以外にもっと節電できる場所がありそうじゃないですか。暖房の温度を下げるなら、そっちの節電を先にしてください!

photo 今回も情報システム部門のイシノさんにお願いしてみた。脅しているように見えるのは気のせいだ(と思いたい)

イシノ: 確かに一理あるけど、節電できるポイントって分かりづらいもんだよ。スズキくんは何かアテがあるの?

スズキ: 分かりません! でもこのパターンも3回目ですからね。今回はこうなることを見越して、大塚商会の人から「プラグワイズ」というアイテムを貸してもらったんですよ。対象の機器とコンセントの間につなげば、消費電力が分かるらしいですよ。これで無駄な電力を使っている機器を全部駆逐してやるんだー!

イシノ: そんな大げさな……。でも確かにこれは「見える化」すると面白そうだね。ちょっと僕も手伝ってみようかな。

スズキ: ちなみに効果が上がりそうだったら、暖房の温度を上げていいですか?

イシノ: いや、それはさすがにどうかな……。

電力を使いそうなアイテムを探してみた

 寒さが改善するかまでは分からないが、今回は初めてイシノさんと“和解”した形で実験が進められそうだ。2人で協力し、ひとまず電力をたくさん使いそうなアイテムを探してみた。

エントリーNo.1:「3Dプリンタ」

photo ITmediaには、3Dプリンタを設置している編集部がある

 ウチの会社は「3Dモデラボ」という3Dモデルのデータ共有コミュニティーサービスを運営していることもあり、会社に3Dプリンタを置いている。もちろん、四六時中稼働しているわけではないが、稼働時にどうなるかを見るのは面白そうだ。

スズキ: これ、本当に稼働しているんですかね。買っただけで使っていないとか……。

イシノ: そこはツッコまないであげようよ。ちゃんと使ってるんじゃない、多分。

エントリーNo.2:「カップドリンクの自動販売機」

photo 社員の憩いの場(リフレッシュスペースと呼んでいる)にある「カップドリンクの自動販売機」。ちなみに僕は有料の飲み物は飲んだことがない

 社員の憩いの場(リフレッシュスペースと呼んでいる)にある「カップドリンクの自動販売機」。お茶やコーヒーがタダで飲める点は本当にうれしい。特にお昼休みになると多くの人が使っている印象はあるが、これがどれだけの電力を消費しているのかは考えたことがなかった。

イシノ: これは一日中稼働しているし、大本命でしょ。暖めるにも冷やすにも電力を食うしね。他にもウォーターサーバや電気ポットも似た感じ。

スズキ: 僕も使ってますけど、有料の飲み物は飲んだことがないんですよね。

エントリーNo.3:「Pepper」

photo 最近受付にデビューしたPepperくん。お疲れのようなのか、ぐったりしているように見える(充電中)

 最近、ウチの会社の受付にロボット「Pepper」を置いたらしい。会社に来た人や、会議前で少し時間が空いた人たちがよく話しかけて遊んでいる。しかし、Pepperはバッテリー式なので、適宜充電を行う必要がある。日中は受付に出し、夜間は充電するというサイクルで運用しているそうだ。今回は充電を行うACアダプターにプラグワイズをつなげてみた。

スズキ: これ、夜に真っ暗な中で動いてたりすると本当に怖いんですよね。

イシノ: 確かに。一応、基本的には9時〜17時で動かしているらしいよ。ノー残業がうらやましい。

設定は簡単、すぐに始められる電力測定

photo スティングとUSBスティック

 それでは、実際に消費電力を測ってみよう。プラグワイズは“スティング”と呼ばれる機器を消費電力を測りたい機器とコンセントの間につなげばよい。基本的にコンセント単位での電力を測るため、電源タップなどにつなげば、複数の機器の電力(合計値)を見ることもできる。

 複数のスティングが集めたデータを親機(スティング+)にまとめ、スティング+からUSBスティックにデータを送信。USBスティックをPCに差してソフトウェアを立ち上げれば、電力が見れるという仕組みだ。

 機器を配置するときは、スティングとスティング+の半径10メートル以内に配置することと、スティング+をスティックの半径5メートル以内にするのがポイントだ。無線通信なので余計な配線作業がいらず、すぐに機器の設置は終わったが、壁などの障害物を隔てたときに通信できるかどうかは、実際に使ってみないと分からないので、注意したい。

photo 複数のスティングが集めたデータを親機にまとめ、USBスティックにデータを送信する

 接続の前には多少の設定が必要だ。まずはソフトウェアをインストールし、各スティングの認証作業や、電力料金といった項目を設定することになる。ちなみにこの部分は良く分からなかったので、全てイシノさんに設定してもらった。電力料金の単価など総務にしか知らないような項目もあるし、僕のような普通の社員が設定するにはやや難しい部分があるかもしれない。

 しかし、この接続作業を終えてしまえば、あとは結果が反映されるのを待つだけ。どんな結果になるのか、1週間ほど動かしてみた。そして1週間後。いよいよ3つの結果が出そろった。

photo 大塚商会はスティングを3つとスティング+を1つ、そしてスティックをセットにして「電力の見える化 スターターパック」として販売している

電力だけでなく“稼働率”も見える化できる?

スズキ: いやー、本当に1週間寒い日々を過ごしましたよ。夜遅くに暖房を止める設定って、もしかして残業減らしのための作戦ですか? 夜こそ冷え込むから辛くなるのに。

イシノ: ……そこはご想像にお任せするよ。3つの結果を見てみたけど、やはり一番多かったのは2の自動販売機だね。グラフはこんな感じ。

photo

スズキ: やはり稼働率からしても昼がピークですね。21時でもそこそこ動いているのを見ると、この時間に残っている社員が結構いるという……。

イシノ: おっと、その話はそこまで。1週間の電力使用量は大体65Kwhちょいだから、ウチのビルの電気代に換算(1Kwhあたり25.13円)すると1646円。会社の中の自販機はこれだけじゃないし、1週間で結構お金を払ってるんだなあ。うーん。

スズキ: 第2位は?

イシノ: Pepperだね。1週間の電力量は1.31Kwhで大体33円くらい。もちろん稼働させていない日もあるんだろうけど、平日あたり6円と考えると案外経済的かもしれない。そうそう、あと1週間で0.52キロの二酸化炭素を生み出している計算になるよ。

スズキ: 何かそう言われると、生きているみたいに感じますね。

イシノ: 最後の3Dプリンタは、あまり稼働していないこともあって一番低かったよ。こうやって見てみると、稼働率が“見える化”できるのは面白いね。例えば機材の棚卸しのときとか、オフィスを引っ越すときにもこのデータを持っておくと役に立ちそう。

スズキ: そういう効果もあるんですね……で、どうします?

イシノ: へ?

スズキ: 暖房の件ですよ。どの機器を止めるんですか? 自販機を止めちゃったら社員からクレームの嵐ですし、やっぱりPepperですかね。

photo 受付近くにある、PVを見せるためにつけっぱなしになってるテレビ

イシノ: (それはさすがに導入を決めた社長に何か言われそうだ……)そ、そういえば調べてみたんだけど、他の機器もあれば、照明なら無線だったり人感センサーで制御することもできるみたいね。やっぱり、そういうところも検討したいというかね。PVを見せるためにつけっぱなしになってるテレビもあるし、あとこの時期、個人でヒーター使ったりする人もいるじゃん。

スズキ: 夏場は扇風機使っている人も結構多かったですね、確か。

イシノ: 駆逐するならそういうところからしていこうよ。もっとさ、いろいろなところを調べてからでも遅くないと思うんだよね。だからしばらく使わせてよ。次は違う機器で試してみるからさ。そろそろ会議が始まっちゃうから、それじゃ。

スズキ: あ、イシノさん! そのプラグワイズは借り物だから返さなきゃいけないんですって……はあ、なんか別の方向で火が付いちゃったな。もういっそ経費で買ってしまった方が早いんじゃないかな、これ。


 お手軽に電力の見える化が実現できる「プラグワイズ」。実際に使ってみて、イシノさんとしても面白い気付きが得られたようです。職場の無理な(?)節電に困ったら、僕のように情シスに聞いてみてはいかがでしょう。新しい節電の方法を思い付くかもしれませんよ。

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提供:株式会社大塚商会
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2016年2月5日

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