エアコンに次ぐ必需設備 「無料Wi-Fi」は外国人観光客のホテル選びのポイントにトリップアドバイザー担当者が語る

インバウンド需要の高まりによって日本のホテルや観光業が沸いている。そうした中、トリップアドバイザーが行ったユーザー調査によると、外国人旅行客がホテルの部屋選びで重視するポイントとして「無料Wi-Fi」が上位に入っていることが明らかになった。これは今後の各宿泊施設の戦略に大いに関係しそうだ。

» 2016年03月01日 10時00分 公開
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 「爆買い」――。この言葉がメディアなどで多用されるようになってからわずか1年ほどしか経っていないが、今や一般にも広く浸透したと言っていいだろう。爆買いとは、主に中国人観光客が日本の高級ブランドや化粧品などを大量に購入することを表す俗語である。

 こうした言葉が一般化する背景にあるのは、急速な外国人観光客の増加だ。日本政府観光局が発表した2015年の訪日外国人客数は過去最高の1973万人に上った。今後、2020年の東京オリンピックまでその勢いはとどまることがないというのが大方の予測である。

 その好景気に沸くのが旅行ビジネス業界である。「日本ではここ半年間でユーザー数が350%成長という驚異的な数字が出ました。その要因の1つがインバウンド需要の高まりであることは間違いないです」。こう語るのは、トリップアドバイザーでホテル事業部長を務める斉藤拓美氏である。

トリップアドバイザー ホテル事業部長の斉藤拓美氏 トリップアドバイザー ホテル事業部長の斉藤拓美氏

 同社は、大手旅行サイト「TripAdvisor」(トリップアドバイザー)を運営する日本法人。元々、トリップアドバイザーは2000年に米国でスタートしたサービスで、その特徴は、旅行者の体験情報(口コミ)を共有するとともに、旅の計画からホテル予約までを簡単に行うことができる点である。その利便性の高さがユーザーの支持を集め、今や全世界のインターネット旅行サービス市場において約20%のシェアを占める世界最大規模になっている。2016年2月末時点で、旅行者からの口コミ数は3億2000万件以上、月間ユーザー数は3億5000万人以上、登録施設数は620万軒を超えており、48の国と地域、28言語でサービス展開している。

 近年はアジアを中心にユーザーが増加しており、観光に訪れた彼らが日本でもトリップアドバイザーを利用する機会が増えたことが、上述した急成長につながっていると言える。

 「現在では、多くの旅行者はわざわざガイドブックを持たなくてもスマートフォン1台で事足りてしまう状況です。特に、レストランや観光情報などタイムリーに情報収集したい旅先でこそスマートデバイスは真価を発揮します。そうした中でそれらの情報を検索する際にトリップアドバイザーが頻繁に利用されているわけです」(斉藤氏)

無料Wi-Fiがなければ大きな機会損失に

 そうしたインバウンド需要が伸びる中、トリップアドバイザーが行ったユーザー調査で興味深い結果が出た。外国人旅行客がホテルの部屋選びにおいて重視するポイントとして、「エアコン」に次いで「Wi-Fi(無線LAN)」の設置が2番目に挙げられたことである。特に年齢別では10〜30代、国別では中国やインドネシアなどアジア地域のユーザーにその傾向が強く、Wi-Fiがなければ宿泊を検討することすら至らないケースが多くなっている。

ホテルの部屋に欲しいアメニティ(出典:トリップアドバイザー・グラフは元の資料から一部抜粋したものです) ホテルの部屋に欲しいアメニティ(出典:トリップアドバイザー・グラフは元の資料から一部抜粋したものです)

 実際、トリップアドバイザーのサービス上でも、条件の絞り込み検索で「無料Wi-Fi」をチェックに入れるユーザーが大多数に上るため、「アメニティ」欄のチェック項目の一番先頭に表示して、ユーザーの利便性、視認性を高めているという。

 「もはや無料Wi-Fiの有無がホテルの集客に大きくかかわってきます。当然、無料Wi-Fiがないホテルは検索結果の画面に表示されず、そのユーザーにとって存在しないのと同じものになってしまうのです」(斉藤氏)

 特に日本では、ホテルに限らず、街中においてもまだ無料Wi-Fi環境の整備が進んでおらず、それが外国人旅行者の不満の種になっている。裏を返せば、無料Wi-Fiが設置されていることをアピールできれば、どんなホテルや旅館でもインバウンド需要を取り込めるチャンスが十分にあるのだという。「多くの人は旅行中にスマホでさまざまな写真を撮影して、それをすぐにソーシャルメディアなどにアップしたいと考えています。それによる口コミでの拡散がさらなる観光プロモーションにつながっています。これはホテルについても同じ。ホテルの部屋で無料Wi-Fiが使えるようになると、どんどん口コミで外国人観光客の間に広まるわけです」と斉藤氏は説明する。

 最近は訪日外国人の観光ルートも地方都市へ広がっており、例えば、宣伝費用のかけられない小規模の宿泊施設などでも無料Wi-Fiがあれば外国人旅行客に対して宿泊検討の1つに加えてもらいやすくなるはずだという。実際、地方の小さな宿なのに宿泊者の大半が外国人だというところもあるそうだ。

 「もちろんホテルや旅館としては、外国人観光客だけをターゲットにしているわけではありません。ただ、スマートデバイスの時代、日本人にとっても、外国人にとってもWi-Fiは共通のニーズであり、日本全国に拡大している外国人観光客を取り込むための施策を講じない手はないでしょう」(斉藤氏)

Wi-Fiは、より安価に・より多様な宿泊施設で導入しやすいものに

 さて、無料Wi-Fiがホテルの集客において有効な武器であることは分かった。しかし一方で、多くのホテルや旅館では、「設置するのが技術的に難しい」「工事費が高いのでは」といったWi-Fiに対する先入観があり、それが導入の障壁になってしまっているのだという。

バッファロー コーポレート営業部の加藤勇人氏 バッファロー コーポレート営業部の加藤勇人氏

 「Wi-Fiなどネットワークインフラはとにかくややこしいというイメージがあるため、導入を敬遠するホテルや旅館は少なくありません。特に中小規模では顕著です。けれども、実際には安価かつすぐに設置できてしまうのです」。こう強調するのは、バッファロー コーポレート営業部 営業推進係長の加藤勇人氏である。

 バッファローは日本最大手のPC周辺機器メーカーで、国内無線LANアクセスポイント市場においてシェアNo.1(BCN調べ)の企業である。以前からさまざまな施設にWi-Fiを提供してきており、例えば、ホテルや旅館などの宿泊施設においても、大・中規模を中心にWi-Fi導入は約10万室以上という実績を持つ。

 昨今では、先述したようなインバウンド需要の高まりや、館内でのスマートデバイス対応がニーズとして顕在化してきたこともあって、小規模の宿泊施設でもWi-Fiの導入、検討が増えているという。

 そうした顧客の多様な要望に対して、バッファローではさまざまな機器やソリューションを用意する。例えば、館内全域でWi-Fiが利用できるように壁面や天井裏にアクセスポイントを設置して複数の部屋や廊下を効率的にカバーしたり、宿泊者に限らず訪問客の誰もが利用できる無料Wi-Fiスポットとして「FREESPOT」をロビーなどの共有スペースに設置したりできる。

 また、客室にWi-Fiを設置する場合、既に有線LANが各部屋に配線されていれば、有線LAN端子にWi-Fiルーターを接続するだけで簡単にWi-Fi環境を構築できるソリューションも提供している。「Wi-Fiを設置するには専門的で難しい工事が必要だと思っているオーナーや設備担当者様が多いようですが、まずトライアルとして最小限の投資でもすぐにWi-Fiを導入できるのです」と加藤氏は説明する。

 このように、ホテルの規模や用途、予算に合わせて、きめ細やかなWi-Fi導入の提案ができる点がバッファローの強みと言えるだろう。

 そのほかにも、最近ではインバウンド需要の多様化に伴い、より小規模のホテルや旅館、あるいは過去にWi-Fi導入で障壁があった場所に向けた製品のラインアップを拡充させている。

 その1つが、屋外設置対応の耐環境型無線LANアクセスポイントである。温泉地や海沿いのホテルでは、硫黄や潮風などでWi-Fi機器が故障するリスクが高いため、そうした厳しい環境でも問題なく利用できる製品としてこのたび提供を開始した。従来はこうした課題に対して高価な専用モデルを利用するか、専用の施工が不可欠だったが、バッファローの新製品は価格を抑えるとともに、防護等級IP55の高い防塵性能と防水性能を備え、マイナス10度から55度の過酷な温度環境でも対応できるのだ。

防塵・防水 耐環境性能 無線LANアクセスポイント WAPS-300WDP 防塵・防水 耐環境性能 無線LANアクセスポイント WAPS-300WDP

 「温泉地など、そもそもWi-Fiの導入が難しかった場所でも、当然のようにニーズはあるわけです。そうした幅広い顧客の要望に応えていくための製品作りをバッファローはトップブランドとして進めています」(加藤氏)

 先述したように、外国人旅行者の観光が都市部から地方へと広がる中、この新製品のニーズはますます高まると見ている。

バッファロー コーポレート営業部の高橋宏明氏 バッファロー コーポレート営業部の高橋宏明氏

 こうした製品そのものの特徴に加えて、バッファローならではの強みといえるのが「サポート力」である。同社のグループ会社であるバッファロー・IT・ソリューションズでは、Wi-Fi導入前の電波調査から工事、施工までを一元的に支援する。

 「効率的にアクセスポイントを配置して、Wi-Fi導入のトータルコストを抑えたいなどといったお客さまのニーズにも柔軟に対応できるよう、全国で質の高いサポート体制を作っています」(バッファロー 営業本部 コーポレート営業部 営業推進係の高橋宏明氏)

 また、導入後の保守サービスも提供しているため、専任のIT担当者が不在なホテルであっても、不都合なくWi-Fiを活用できるようになるのだという。

Wi-Fi導入は従業員の業務効率化にも寄与

 ホテルや旅館がより収益向上を図っていくために、今後バッファローでは、単に来客向けのWi-Fiだけにとどまらず、業務用としてのWi-Fi構築も推進し、ホテル業務の効率化にまで提案の幅を広げていきたいという。つまり、Wi-Fi導入はコスト要因ではなく、利益獲得のための投資となるわけだ。

 具体的には、タブレット端末の業務活用などがある。ホテルの従業員のほとんどが常に館内を動き回って仕事を行っているため、自席に戻ってPCでメールなどをチェックしたり、従業員同士が集まってミーティングなどを行ったりする時間は限られている。そうした業務スタイルにおいて、持ち運び可能なタブレット端末を使えば、いつでもどこでもメールや部屋の清掃状況のチェック、あるいは宿泊者に案内する近隣のガイドマップ情報などをすぐに提供することができ、業務の効率化や顧客対応の強化につながると考えられる。

 そのタブレット端末をフル活用する上で、ネットワークインフラは欠かせない。特に多くの従業員が一斉に接続してもネットワークが途切れなくつながる環境を整備することが重要になってくる。そうした点でWi-Fiの有用性は大きいのだ。

2月に開催されたホテル・レストランショーでは、安価なデジタルフォト・アルバム機器によるテレビでのデジタルサイネージソリューションを展示 2月に開催されたホテル・レストランショーでは、安価なデジタルフォト・アルバム機器によるテレビでのデジタルサイネージソリューションを展示

 さらには、POSシステムと連携したレストラン予約・管理システムや、外国人観光客に向けて外国語でガイド情報を流すデジタルサイネージなども、今後ホテルでの導入が進むとバッファローは見ており、これらのシステムを使う上でも安定したネットワーク環境は必要だとしている。

 今後ますますインバウンド需要が拡大する一方で、ホテルの集客状況も優勝劣敗がより鮮明になるだろう。その対策は待ったなしの状況である。客室や館内の利便性を高め、多くの顧客が訪れる“勝ち組”になるために、何をすべきか。その答えは明白と言えよう。

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提供:株式会社バッファロー
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2016年3月31日

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