カシオ計算機は5月14日、EDIFICEのスマートフォンリンクモデルの新製品として、地球モチーフの立体インダイアルを搭載した「EQB-600D」を発売する。ワールドタイム機能を目で見て楽しめる新たな発想のモデルは、どのような狙いで開発されたのか。同社の開発陣に話を聞いた。
私が初めてカシオのメタルクロノグラフウオッチ「EDIFICE」に出会ったのはちょうど1年くらい前、カシオ本社にて行われた取材だった。スマートウォッチが脚光を浴び始めていたころに、編集部から依頼されたのがメタルクロノグラフウオッチ「EDIFICE EQB-510/ECB-500」の取材であった(関連記事)。正直「現地の時間をスマートフォンと連動してあわせる時計」という軽い認識で望んでいた。だがしかし、取材を通して、カシオ開発陣の熱い想い、その情熱から生まれた「新世代のクロノグラフウォッチ」の魅力に圧倒され、取材後はすっかり虜になってしまっていた。
そのEDIFICEがこの春、新たな進化をとげた新モデルを発売するという。今回は幸運なことに、開発が行われた羽村技術センターにお邪魔する機会をいただいた。進化したEDIFICE新モデルの魅力をレポートしようと思う。
ダイナミックなデザインと先進テクノロジーを兼ね備えた高機能ウオッチ「EDIFICE」の新モデルとなる「EQB-600D」。世界の時刻とシンクロするという意味を込めた「Global Time Sync」をコンセプトに、地球モチーフの立体インダイアルが追加された特徴的なメタルアナログウォッチだ。同社の「グローバル時代に適したアナログウオッチを作る」というコンセプトを具現化した最新モデルと言ってよいだろう。
「前モデルのワールドタイム機能は、時計の中にもう1つ時計のダイアルが入ったカタチで世界中の時刻を分かりやすく表現するデザインだった。今回のモデルではさらに、それを具現化する新しい表現を模索する中で生まれた」とカシオのデザインチームは話す。そこで組み込まれたのが地球モチーフのドーム型立体インダイアル「3D Globe Dial」だ。「一番ストレートに世界を感じられるもの」としてこのデザインが採用されたという。
この3D Globe Dialは「開発中のサンプルより製品版のほうが完成度が高かった(通常は作り方が異なるため試作品のほうがシャープに仕上がる)」というほどの完成度は、山形カシオの高度な成型技術によって実現された。立体の地図や緯度・経度の細かな線など、精巧なつくりに加え、ブルーのモデルではさらに偏光蒸着を施しており、高い質感が特徴的だ。
「3D Globe Dial」は、8時側のインダイアルで設定したワールドタイムの時刻の昼夜を表す24時間計として、まるで地球が自転するように24時間かけて一周する。この演出がなんとも男の遊び心をくすぐる仕掛けだ。だが、決して遊びではなく、カシオの「スマートデザイン思想」としてワールドタイムを分かりやすく表現した「機能を持ったデザイン」なのだ。そう、機能美なのである。
この「3D Globe Dial」は、時計の針としてはかなり重いほうだという。それを動かすためにデュアルコイルモーターというカシオが昨年新たに開発した重いものも動かせるモーターが採用されている。
「我々の思想として、エレクトロニクス技術を使ってアナログ時計の新しい表現を作り出していきたいという想いがある。EQB-600Dは、その集大成といっていい」とカシオ開発陣は話す。新開発のデュアルコイルモーターで実現したドーム型立体インダイアルのギミックは、まさにカシオの最新技術の象徴と言っていいだろう。
「3D Globe Dial」上に配置されたカーブ形状の針にもぜひ注目してほしい。針はワールドタイムに設定した都市のタイムゾーンを指し示し、針が上半分に位置するときは18時〜朝6時の夜間を、下半分では朝の6時〜18時の日中を表現している。直感的な視覚で朝と昼を判別することが可能となっているのだ。
時計自体の操作は非常にシンプルで合理的だ。左下のボタンにはBluetoothのアイコンが彫られており、ワンプッシュするだけで、スマートフォンとリンクし、素早く時刻を取得できる。右上のボタンはホームタイムとワールドタイムの時刻の入れ替え、そして左下のボタンはスマートフォンを探すボタンだ。これらは「ワールドタイムに特化し、使いやすさを追求した結果」だという。機能性を追求しながら、機能のボタン割り当てをシンプルにすることにより、所有者はどのタイミングでも迷わず使用することができるだろう。
そして驚きなのが、これほどの多くのギミックを採用しているにもかかわらず、前モデルよりも薄くなっていることだ。前モデルに比べ1ミリほど薄くなっている。「ドーム型インダイアルを組み込んでの薄さを実現したのは1年半の技術の進化と言っていい」とあっさりと話してくれたカシオ開発陣だが、そうはいってもかなりの試行錯誤があったはずだ。「ワイドフェイスなのに薄い」これはEDIFICE専用モジュール、そしてローパワー化したシステムを開発することで、電池の小型化による薄型化を目指し開発した新しいモジュールにより実現しているのだ。
多くの高度な技術が実現した高性能と、高品位の美しさを兼ね備えたモデル、それが新モデルEQB-600Dなのだ。
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提供:カシオ計算機株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2016年6月15日