コストだけじゃない “総合力”で人気を集める次世代監視カメラとは?2020年に向けて導入相次ぐ

いま監視カメラは防犯だけではなく、映像分析を活用したマーケティングや災害時の迅速な状況把握など、さまざまな用途での活用が期待されている。こうした中、課題だった初期投資の高さを解消できたり、機械学習や人工知能(AI)技術を組み合わせることで高性能な映像監視を実現する可能性を秘めた製品が誕生した。

» 2017年03月29日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR

企業の生産性向上施策やトラブル対策で需要増加

 監視カメラの役割が変わりつつある。従来の監視カメラは防犯が主な用途であったが、近年は映像分析を活用したマーケティングや災害時の迅速な状況把握など、さまざまな用途での活用が期待されている。

 例えば製造現場では、通常時の作業員や機械の動きをAI搭載の防犯カメラが学習することで、何かイレギュラーな動きがあった場合にはすぐに異常を教えてくれる。これによって品質管理、不良率の改善に役立てることができる。

 この異常検知によるトラブル防止のニーズが特に高まるのが2020年だ。近年の訪日客数は順調に増加しており、政府も20年までに訪日客数4000万人超えを目標としている。そこで危惧されているのが訪日客との各種トラブルである。文化や慣習などが異なる人々が広く行き交うようになれば、必然的に思わぬ事故・事件の発生リスクも高まることになる。

 企業の生産性向上、20年に向けてのトラブル対策――。こうした理由から、日本では監視カメラの需要が急速に高まっており、導入が官民を問わず相次いでいるのだ。

従来の監視カメラにはさまざまな課題が……

 しかし、監視カメラの導入には課題も残されている。まず挙げられるのは、設置に少なからぬ手間と時間がかかることだ。近年になり、設置の容易性から既存のLANケーブルに接続して使用するIP型の監視カメラの利用が拡大している。しかし、いくらIP型とはいえ、LAN配線のない場所への設置には従来のアナログ型と同様にケーブルの新規敷設が必要であり、屋外監視といった用途では設置期間が長引かざるを得なくなる。

 ケーブルの代替として、商用無線ネットワークで映像を転送する製品も存在するが、そこで新たに持ち上がるのが通信コストの問題である。映像には「鮮明さ」と「リアルタイムさ」が要求されるため、負担すべき通信コストの増加が避けられない。

 より簡単かつ安価に監視カメラを利用できないか――。これが導入検討側の偽らざる本音であろう。実は、こうした要望に応えられる注目のサービスがある。それが、丸紅無線通信のクラウド型映像監視サービス「TRASCOPE(トラスコープ)」である。

 TRASCOPEでは、無線タイプの監視カメラと、映像の保管場所であるクラウド、映像を送信するためのネットワーク、映像確認用のモニターなど、監視に必要なコンポーネントをワン・パッケージ化して提供する。

photo クラウド型映像監視サービス「TRASCOPE(トラスコープ)」

TRASCOPEが「安価」「手軽さ」「セキュア」を実現

 TRASCOPEの特徴としてまず挙げられるのは、カメラからクラウドへのデータ転送量を局所最適化でき、監視効率も高められることだ。

 監視カメラで収集される映像は、いわば万一の備えであり、利用されないものが大半である。ただし、有事の際には膨大な映像の中から、目的のものを迅速に確認しなければならない。TRASCOPEでは、監視カメラと各種センサー、クラウドの連携によってその課題を解決する。

具体的には、通常時はカメラ内のSDカードに映像を保管しつつ、センサーが異常を検出した時に限り、そこからの映像を無線通信でクラウドに転送する。これにより、通常時は無線通信を行わないことで通信コストを格段に削減でき、また、異常時だけの映像を集約することで、目的の映像を容易に確認することができるのだ。

photo センサーが異常を検出したときに限り、映像を無線通信でクラウドに転送。これによって目的の映像を容易に確認できるほか、通常時は無線通信を行わないため通信コストも削減可能に

 丸紅無線通信の山際賢社長は「センサーをトリガーに、異常時の映像のみクラウドに送るため、従来の無線型監視カメラと比べ、通信コストを約5分の1にまで抑えられます。状況確認のためのセンサーも温度や接触の有無、光の変化を検出するものなど、豊富に取りそろえており、多様な監視ニーズに対応が可能です。当社の目的は単なる監視カメラの提供ではありません。目指すのは、センサーやクラウド連携による、より付加価値の高い監視サービスの実現なのです」と強調する。

 また、近年になりWebカメラのハッキングが社会問題となりつつあるが、TRASCOPEはこの点にも独自の策を講じている。監視カメラ側に保管される映像は、独自形式に変換されており、たとえデータが流出しても悪用は極めて困難だ。また、丸紅無線通信はMVNO(仮想移動体通信事業者)として、携帯電話事業者のネットワークを自社回線に直収することで、インターネットを経由しないカメラとクラウドとのセキュアな通信を実現。さらに、そこでの通信は独自プロトコルによる暗号化で保護されている。

 「安心を担保するサービスだけに、セキュリティには特に注意を払っています。加えて、当社が提供する独自クラウド『Cloudest』は、国産クラウド事業者のニフティのサービスをベースとしており、監視カメラの映像が必要とされがちな災害時などでの高い信頼性と可用性も両立しているのです」(山際社長)

 さらに、従来であれば映像の監視や確認は専用の監視ルームで行われることが多かったが、iPadなどの端末で利用できるアプリケーションによって、場所の縛りも格段に緩和される。

異常検知でトラブルを迅速に解決

 提供する無線カメラは100〜400万画素の筒状型から、全方位デジタルズームが可能な旋回型まで幅広いタイプを用意。加えて、当初の想定以上の引き合いを集めているのが、一般のIPカメラと接続して利用する「モバイルボックス」だ。この製品は、TRASCOPEのカメラから無線通信や映像記録、センサー連動などの機能を抽出した製品であり、既存のカメラと有線または無線LANで接続する事で、TRASCOPEのカメラと同じ機能を利用することが可能となる。

 TRASCOPEは現在、鉄道や駐車場、大規模施設など、多様な監視用途で既に実績を重ねている。中でも大きな成果を挙げているのが鉄道会社での踏切監視だ。鉄道会社は踏切内の事故防止に向けた各種システムを設置しているが、それらが作動した際にはこれまで、踏切内の状況(障害物の有無など)を目視で確認する必要があり、復旧に少なからぬ時間を要していた。

 TRASCOPEの侵入検知センサーと連携した映像監視によって、異常検出時の前後の映像(現場の状況)を迅速に確認できるようになったため、素早い初動対応が実現されている。

 また、コインパーキングでは、車止めの乗り上げや車両接触音、精算機荒らしなどをセンサーにより検知し、ナンバープレートの読み取りや車両状態の監視といった対策につなげているという。

“守り”の監視カメラを“攻め”のツールに!

photo 丸紅無線通信の山際賢社長

 監視カメラの新たな用途開拓の“切り札”として丸紅無線通信が今春からの提供を予定しているのが「AIカメラ」である。同カメラはその名の通り、米半導体メーカー、NVIDIAのGPUを搭載することでカメラ単体での画像解析を実現した製品だ。

 「AIカメラでは、画像解析結果の学習(アップロード)を通じて、監視以外の多様な支援が可能になります」(山際社長)

 AIの分析精度を高めるには、膨大なデータでの学習を通じたアルゴリズムの見直しが必須だ。この点を踏まえ、丸紅無線通信は監視カメラの開発を手掛けるクリューシステムズとの共同事業に既に着手。その内容は、実用化前のアルゴリズムをクラウドに登録し、既設カメラでAIに学習させ続け、実用に耐え得る段階まで精度が向上した時点でアルゴリズムを販売するというものだ。

 「現在、クリューシステムズとAIの用途開発を進めていますが、アルゴリズムは車番認証や顔認証、動線分析、侵入者検出などいくつもの用途が考えられます。顔認証一つとっても、リピーターを認識することで常連客へのデジタルクーポン配布を行うなど、“攻め”の策としての利用も可能となります。近い将来、それらも含めた映像解析ソリューションの提供も視野に入れています」(山際社長)

 セキュリティの確保に加え、企業にとっての新たな攻めの手段として、監視カメラによる分析ソリューションも一括して提供するTRASCOPE。同サービスの存在感が、近いうちにさらに高まっていくことは間違いないだろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:丸紅無線通信株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2017年4月28日

関連リンク